教科「情報」の「神童通報制度」
日本文教出版の論説では文字数上限の都合で書けなかったことがある。省略したということは、論説に書いた内容よりも重要度が低い(だから自ら削った)ということではあるが、それでも、blogには載せてみたいと思うので、ここに。
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自分自身の経験を振り返ると、算数・数学が得意だったのは小学校4年生〜5年生、中学校2年生、高校3年生後半〜大学3年生である。期間が連続していない。実際、高校1年生のときは数学の成績はとても悪くて、実は英語の成績もとても悪かった。ま、自分の話はこの辺で終了して、算数・数学が得意な生徒・学生の間では、例えば「月刊・大学への数学(東京出版)」「Z会MA科」「数学セミナー」などのメディアが古くから存在していた。また、学校の算数・数学の先生は、自分のクラスに「よくできる児童・生徒」を見つけると、その児童・生徒に非常に高度な内容の問題集や大学生向けの教科書などを与えて更に伸ばしたり、数学科への進学を推薦する慣習があった。いまはこれを「神童通報制度」と呼ぶことにしよう。
「神童通報制度」は数学だけでなく、音楽、体育、美術、英語などにもあった。物理(理科)の場合は「神童通報制度」は存在しない代わりに本人がアマチュア無線・天文などの趣味にのめり込むことで、事実上「神童通報制度」が機能していた。国語も図書館がその機能を果たしていた。なぜか、社会科にはそんな制度はなかった(ように見えた)。
えぇ、もちろん、「神童通報制度」が高校の『情報』にあるのかってことです。
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2005年のこの時代に、紙媒体(雑誌)で情報の「神童通報制度」というのもおかしな話だなぁとは思います。で、情報関係が得意な生徒さんはどうしているのだろうかと調べてみた。slashdot、2ちゃんねる、デジタルハリウッド、U-20プログラミング・コンテスト、ITハイスクールなどいろいろある。
大学の教員としては、もう少しこの分野に関わりが多くてもいいような気がするのだが、それとともに、高校に、情報の「神童通報制度」を作る必要もあると思う。通報制度であるから、可能ならすべての学校に、そうでなくてもできる限り多くの学校に存在すべきである。一部の先生だけが頑張って通報するのではない。数学の通報制度の場合は、ほとんどの数学の先生が「この生徒は神童」と見ぬいて通報できるのである。「情報」にできないとは思えない…。情報の「優等生」にどんな夢があるのだろうか…。
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