« 韓国の大学修学能力試験の「情報技術基礎」 | トップページ | ITの活用(階段関数で価格を決めることからの脱却)の続編 »

2006年1月 5日 (木)

ITの活用(階段関数で価格を決めることからの脱却)

毎日新聞が1月5日15時5分に配信した記事によれば、ETC深夜3割引の開始時間深夜0時の前になると、高速道路の入口に多数のトラックが滞留し、警察は「駐車違反、危険」と呼びかけているものの、抜本的な解決策が見つからず改善の兆しはないとのこと。そんなこと、道路公団、警察のいずれも予想していたと思うのだが、それにも関わらず対策を設けなかったのはどういうことかと思う。

「ITの活用」ができるかどうかの問題ですね。23:30〜24:30の60分をかけて、1分につき 0.5%ずつ割り引くようにすればいいのですよ。例えば、

  • 23:50分に入った車は 10%引きなので、10,000円の区間なら1,000円引き。
  • 23:51分に入った車は 10.5%引きなので、10,000円の区間なら1,050円引き。
こう書くと、「それなら最大割引になるまで待つ車で滞留するから意味無し」と思う人も多いでしょうが、
  • 24:28分 → 29%引き → 2,900円引き。
  • 24:29分 → 29.5%引き → 2,950円引き。
  • 24:30分 → 30%引き → 3,000円引き。
になるので「50円くらいなら1分早く入ろう」って人もいるはずで、結果として滞留はほとんど起きないと予想します。また、この方法だと、長距離であればあるほど割引価格も大きいので、短距離トラックはわりと簡単にシビレを切らしてゲートから入ります。もっと細かく、12秒毎に 0.1%安くするでも可能ですよね。

人間が計算をして、人間が紙幣・硬貨のやりとりをするのなら、こんな料金体系は不可能ですが、ETCはコンピュータなのだから、これくらいのことをしなさい‥ね。

ついでに書くと、JR東日本さんも、「Suicaを持っているなら、運賃の端数割引(例えば0.1km毎に運賃を変化させる)」とかしてくれるといいのに。Suicaなんだから、10円単位で運賃設定をする必要ないでしょ。そうすると、Suicaももっと普及すると思います。

スーパーの惣菜コーナーの値段も閉店30分前から、1分1%ずつ引くってことだって、できますよね…。

|

« 韓国の大学修学能力試験の「情報技術基礎」 | トップページ | ITの活用(階段関数で価格を決めることからの脱却)の続編 »

コメント

毎日新聞には100円でも安くあげたいというトラック運転手の声も載っていましたので,あまり変わらないかもしれませんね。それより均一料金にすればわざわざ深夜にトラックを運転させるという酷い労働環境が改善されないかなぁ,とも思ってみました。

投稿: okumura | 2006年1月 5日 (木) 20:29

と書いてはみたものの,よく毎日新聞を読むと,会社からは高速料金は一律1万円とかしか支払われないようなので,均一料金にすると皺寄せは結局弱い運転手のほうに行くかもしれず,難しいなぁ。

投稿: okumura | 2006年1月 5日 (木) 22:13

okumuraさん コメントありがとうございます。

okumuraさんは運転しないのでご存知ないかも知れませんが、以下の理由で夜の方が楽なんですよ。

  • 台数が少ない
  • 運転が下手な人があまり走っていない
  • ライトを点けて走っているので、やや遠い車でも存在がわかる(昼だと死角に入って同じ方向を走っている車を見つけることは困難です。)

さらに、今は「翌日配達」を求める消費者のためには、夜に走らざるを得ないという需要もあります。

料金割引については、コメントが長いので、いまから別に記事を立てます。

投稿: たつみ | 2006年1月 5日 (木) 22:25

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ITの活用(階段関数で価格を決めることからの脱却):

» 関数の連続性とETC深夜割引 [Boise on my mind]
「関数の連続性」といえば高校数学や大学教養数学の微積分で出てくる概念ですが、それが現実の社会問題とどうつながっているか、というお話です。 ==== <トラック滞留>午前0時前、ETC深夜割引待ち 東名上り 深夜の東名高速道上り線で、路側帯などに違法駐車する大型トラックが急増している。ETC車対象の高速料金の深夜割引が始まる午前0時を待つためで、日本道路公団(昨年10月に分割民営化)の改革が思わぬ副作用を招いた形だ。年末から三が日こそ見�... [続きを読む]

受信: 2006年1月 7日 (土) 12:53

« 韓国の大学修学能力試験の「情報技術基礎」 | トップページ | ITの活用(階段関数で価格を決めることからの脱却)の続編 »