過剰な個人情報保護
読売新聞webサイトで、2006年2月10日14時44分に配信された記事によれば、がん登録制度が、個人情報漏洩に対する過剰反応で、うまく動いていないとのこと。そもそも、この制度の目的は、がんの発生状況を統計的に収集することで、今後のがん対策の基本データにすることであり、「公衆衛生の向上のため特に必要」として、厚生労働省も個人情報保護法の適用外であることを公表しているとのことである。しかし、いくつかの地方公共団体では、議会が提供中止を決定していると記事に書いてあった。
なぜ「厚生労働省が『がん登録』は適用除外」と説明しているにも関わらず、病院が、議会が従わないのかを考えてみたのだが、どうも「僕にはよくわからない」というのを今回の結論としたい。おそらく、誰か「個人情報の保護は絶対である」と宣伝している人(弁護士か、コンサルタントか、誰か良く分からない)がいて、あちこちに触れ回っているのだろう。個人情報の保護が重要であることに間違いはないが、別の、あきらかに優先すると思われる法で定められている場合や、生命・財産に危険がある場合などは、個人情報を本人同意なく提供することも許されている、ということが全国の病院や議会に理解されるまでには、相当の時間がかかるんだろう。
それからもう一つ、提供を求める側の情報管理体制に問題はないのだろうかということは、記事には書かれていなかった。もし、厚生労働省が「患者の個人情報をフロッピーやMOに記録して普通郵便で送りなさい」なんて指示をしていたのなら、送り出す方は恐いと思って渡さないだろう。正しくは、十分に安全な暗号と電子署名を利用できる回線を利用することだと思う。この辺、誰か知っていることがあったら教えて下さい。
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