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2006年6月20日 (火)

Spam対策

総合情報メディアセンターというところの教員をしていると、学内から「センターでSpam対策をできないか?」という問い合わせを受けることが多い。ところが、真剣に考えると、この問題、かなり複雑だ。

まず、センターで厳しいSpam制限をすると、大事なメールがうっかり届かなくなることがある。メールは研究に必要という立場の人にとっては、「1000通のSpamを受け取ること」と、「1通の重要なメールを逃すこと」のどちらかを選べと言われれば、大抵、前者を選ぶ。

適当に緩いSpam制限をしても、それでも拒否されるメールが存在する。そこで、センターではSpam制限をあまり行なわない方向で対応している。

ところで、お金を払ってでもいいから…という人に一言。お金をもらっても、メールの中身を見ない限りは、完全なSpamフィルタリングは不可能だ。まだ機械は人間のような知能を持つに至っていない。だから、人間がSpamだと見るメールでも、それを機械がうっかり通ししてしまうことがある。その逆もある。

ここでは、なるべく精度が高そうな対策の話を記す。

例えば、Spamメールを送る業者の Black List を作って、そこからのメールを拒否する方法がわりと有効なのだが、時々、Black List に Spamメール業者でないとことが登録されてしまうことがあり、そうなると、普通のメールでも受け取れなくなってしまう。先日も某超大手プロバイダがまるごと登録されてしまって、困った。

また、Spamメールに固有の文字列を集めた辞書を作るという方法もある。これもそれなりに有効だ。僕は、自分で作った辞書を公開している。

http://www.tt.tuat.ac.jp/mail4me/deny-body.txt

この中の各行と、メールの本文のどれかが一致すれば、そのメールは Spam とみなされるようにしてある。

僕の場合、こういう努力をたくさん組み合わせているので、1日のうちすり抜けてくるSpamは10通程度にまで押え込んでいる。ちなみに、すり抜けられないで捕まってしまうSpamは、2006年6月1日〜19日までの合計で8,448通であった。1日平均で444通、1時間平均18通であった。逆に計算をすると3分14秒に1通のSpamが届いていることになる。実際、こうして、blogの記事を書いている間でも、12通のSpamが引っかかっていた。

でも、こういう努力をできない人の場合は、学習型Spamフィルターを備えたMUAを勧めたい。たとえば Thunderbird などは非常に精度が高い。

Mozilla Thunderbird

あるいは、gmailなどのフリーメールサイトを利用するのもいい手だと思う。

こういう道具を乗り換えずして、有効なSpam対策はあり得ない。

中途半端な終り方ですが、これにて終り。

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2006年6月 2日 (金)

偽物に注意

今年3月、あるところで、「Webページを見ていたら、『あなたのパソコンは★★★に感染しています。いますぐ、●●●をダウンロードして下さい』って出たんですが、セキュリティになにかもんだいがあるのでしょうか?」という質問を受けた。

最初は僕も「何かのウイルスに感染しているのでは?」と思い、

Microsoft / Windows Live Safety Center
の使用を勧めたのだが、何も見つからなかった。どうも変だと思って事情を調べてみたところ、「偽物のウイルス感染情報」を表示してお金を詐取する犯罪行為が行なわれているらしいということがわかった。

5月、僕の授業の受講学生からも同じ相談を受けた。この時点で、悪質らしい…ということはわかった。

今日、こんなニュースが流れてきた。

NIKKEI NET / IT+PLUS([2006年6月2日/日本経済新聞 朝刊])
「ウイルス感染の恐れ」、対策ソフト購入迫る広告に苦情相談急増

ついに、大手新聞社さんも動くようになった。この事件に個人的に注目していた自分としては、そろそろblogに書いて運動(?)を始めないとまずいのかなぁと…。みなさん、ご存知でした?

さらに情報を調べるにはこちらへどうぞ。

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