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2006年10月30日 (月)

遂に開きなおった新潟県教育委員会

アサヒコム10月30日22時25分配信の記事によれば、

燕高や村上中等教育学校は、コンピューターの活用法などを学ぶ「情報」の年間時数のすべてで、新潟高や長岡高、高田北城高などでは同じく4分の3で「他教科と連携を図る」として、数学や化学の教科書を使っていた
とあり、
県教委側は「他教科の内容を発展的に採り入れ、他教科との連携を大幅に採り入れたもの」と説明した。
とのこと。

こういうのは開きなおりに過ぎないですね。真面目に対応している人達は、今夜から新潟県に足を向けて寝るようにして欲しいです。(新潟県内に在住の人は、県庁に足を向けて寝て下さい。)

新潟県教育委員会の皆様、僕は、その生徒達が情報の学習目標をどの程度達成しているかテストしてみたいのですが、引き受けてくれますか?こちらは、テスト問題、たくさん持ってますよ。発展的に学んだのですから、いい成績を残せるようになってるはずですよね?

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ジョーシン06ご来場ありがとうございました

10月28日の、情報処理学会の情報教育委員会主催「ジョーシン06」にお越し下さったみなさま、ご来場ありがとうございました。当日は、緊急企画をあわてて準備しまして、準備不足感がありましたことをお詫びします。

ところで、当日配布された資料には、一般に入手しにくい「国立八大学 情報入試WGの提言」「情報処理学会 初等中等情報教育委員会 新試作教科書」が入っておりまして、さらに、残部もあります。当日ご参加できなかった方で、入手希望の方がおられましたら、ジョーシン06の公式サイトをご覧ください。

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2006年10月29日 (日)

Invalid command 'php_flag', perhaps mis-spelled

FreeBSDの php4, php5 の両方で観測されている話です。

security 対応をしようと portupgrade すると、次のようなエラーが(httpd-errorなどのファイルに)でます。

/usr/local/www/data/moodle/.htaccess: Invalid command 'php_flag', perhaps mis-spelled or defined by a module not included in the server configuration

回避方法は

# cd /usr/ports/lang/php5
# make config
(apacheのmoduleをOnにする。)
# make
# make deinstall
# make reinstall
です。portupgradeではapache用のmoduleが作られないのが原因です。moodleを利用してる場合に引っかかりますので御注意を。

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2006年10月28日 (土)

必履修教科「世界史(など)」を真面目に勉強した受験生こそ、救済されるべき。

テレビや新聞などで「卒業までに追加で210時間」「350時間」などと、当該学校の生徒達が大変な目にあっている様子が報道されている。仮に、卒業までの履修時数を 30時間×35週×3年間で 3,150時間とすると、350時間追加が必要な生徒達は、卒業までに必要な学習時間は2,800時間で飽和していることになる。それより先をどれほど勉強しても、卒業に必要な内容を勉強したことにはならない。

さて、今回の事件が発覚した直後から文部科学大臣は「特例扱いはしない」と発言してきた。(めずらしく立派なことをいう大臣だと個人的には感心していたのだが、)行政職の立場では当然の発言だろう。ところが昨日頃から、元首相や、その周りの「立法」にある人から「本人に責任はないのだから、救済処置を講ずるべきである」という発言が目立ち始めてきた。行政にできないことをするのが政治(立法)の役目であるから、その発言の行政と立法の区別について議論するつもりはない。

しかし……、この救済処置は、あまりにも社会的不公平である。というのは、今回補習が必要と見積もられた人数は7万人超(10月28日毎日新聞web)であり、高校3年生で大学進学を希望している生徒は、おおむね60万人(センター試験は50万人程度が受験)である。よって7万人は一部の「それまで有利に勉強を進めてきた人達」である。既に有利に学んでいる人に、本人に責めを帰せないとしても、救済をするというのでは、「正直者が馬鹿を見る」の典型となる。

耐震偽装マンションの事件のときも、当該マンションのすぐ近くで、高価でしっかりとしたマンションを買った人達は、被害者が全面救済されるとするならば怒るはずだ。「うまい話には裏がある」のは、生きる力として当然に身に付けるべきこと。一部の進学校は「おいしすぎた」。

ここは公正を期すために、次のような提案はどうだろうか?

  1. 各学校に必履修科目の未習時間を申告してもらう。それを x と置く。
  2. その学校からセンター試験を受験した生徒の得点は、(3150-x)/3150倍して採用する。

つまり、もし350時間未習という生徒の場合は、2800/3150=8/9=0.888 であるから、合計得点を 0.8888倍して採用するということにしてはどうだろうか?もし、この提案が通れば、真面目に勉強してきた受験生も「しかたないな…」と思うだろう。

それから、附属高校を持つ一部の大学にとっては、チャンスでもあるとおもう。「超法規的に入学を認めましょう。未習部分は、大学入学後、我大学の附属高校の先生が授業・試験をして単位認定します。」というキャンペーンをすればよい。不安だった生徒達の人気を集めるかも知れない。

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2006年10月26日 (木)

正直者の学校の生徒は、今日から必修をさぼれるか?教師はそれを許せるか?

「受験にでない世界史を正直に学んでいる理系高校生」が、今回の報道を聞いて、明日から「これじゃぁ不公平だから、先生、僕達の授業の時間に数学や英語の自習をさせて下さい」と言い始めたとする。もし、あなたがそのクラスの世界史の先生だったらどうしますか?

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必履修「世界史」未修問題に関係するいくつかの話題

とりあえず、今回の「世界史を受験科目にしていない高校生に、世界史を受講させていなかった事件」に関して、いくつか話題を振っておきます。

  1. 一般的な話
    1. 既に卒業した学生の卒業は遡ってとり消されないとすれば、その学生の母校は、卒業生に授業を行なう義務があるはずだが、それはどう対応するのか?
    2. 真面目に授業を受けた生徒と、行なった教師は「正直者はバカを見る」に過ぎないのか。嘘つきを罰するべきでは?
    3. 「これから世界史を勉強するなんて嫌だ」とゴネている生徒達は、単なる被害者なのか。「うまい話には裏がある」ということは、インチキ商法でも、安過ぎる耐震偽装マンションでも当てはまった話だったのに…。
    4. 指導要領では、50分を35週と書いているが、実際にはそんなに授業をしている高校はほとんどない。学校行事などがあると、35週間も授業はできないからだ。とすれば、35週に設定した指導要領そのものに不合理はないのか?
    5. ひどい授業を形式的にやると逆効果だと思うんだけど、それはどうなのか?
  2. 教科「情報」に関すること
    1. 3週間講習会で免許をとったのち、研修らしい研修もせず、自己研讃もしない、高校の必修教科「情報」の教員は許されるのか?
    2. 「情報」は他の教科の学習に役立てることが指導要領で要請されているが、「数学風の『情報B』」「情報B風の『数学』」はセーフか?
    3. 「情報」を入試に出している大学が少ないことから、「情報をやらなくてもいい」という意識が起こったのではないか?仮にそうだとして、八大学(北大・東北大・東大・東工大・名大・京大・阪大・九大)が「情報入試」に取り組めば、「『情報』をやったことにしてやらない」という高校は減るのか?
    4. 情報ABCのシェアや、教科書の売れ筋は、こういう「未修、あるいは、やったことにすればいい、あるいは最初の2週間だけ」という意識が具現化した結果ではないのか?
  3. 個人的な話題
    1. そういえば今年4月、東京大学教養学部で「情報」(理II, 理III、必修で、彼らは講師を選べない)の授業の開始時に学生に挙手アンケートをとったら、「うちでは情報をやってない」という現役合格した大学生がたくさんいた。一方、東京大学教養学部の「情報」は「高等学校で『情報』既習」を前提としてカリキュラムを作っていたので、ついていけない学生が続出したなぁ。
    2. そういえば今年4月、早稲田大学メディアネットワークセンターで「情報基礎演習」(選択で、文系の学生が受講。たくさん開講されていて学生は講師を選べる。)の授業をするときに、「高校で情報が不得意だった人のための」とサブタイトルをつけて、そのつもりで高校の教科書(日本文教出版「情報C」平成18年度版)をそのまま使って授業をしたら、かなり好評だったなぁ。

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必履修教科「情報」をどこがまともにやってるの?

「世界史」で受験しないなら、世界史を履修しなくてもいい。むしろ、履修しないで日本史の学習に時間をかけてくれる方がいいという学校が、日本中にたくさん見つかった問題ですが、同時に、他の必修科目の履修や、必要な単位数(授業時間数)が不足していたなどの問題もたくさん発覚してきています。

もちろん、高校の「教科『情報』をやってない」という学校が少なくないことは予想していましたし、今日の報道内容を見ても「やっぱり…な」という事態がたくさんあきらかになってきています。

三重大学の奥村先生のblogでも、この件が話題になっていて、奥村先生は「ここ掘れわんわん、もっと出てくる」と発言されています。過激だなぁ。

で、その奥村先生と私が登壇する「ジョーシン06」(2006年10月28日(土)10:00〜17:00, 早稲田大学大久保キャンパス(理工学部)55号館N棟)で、今日になって

【緊急企画】必修教科「情報」をどこがまともにやってるの?
を行なうことになりました。諸事情で当日登壇ができない長野大学の和田先生の登壇時間から20分を頂いて、私が司会をしますが、基本的にフロアの皆様に語って頂く時間にしたいと思っています。

ジョーシン06の参加申込期限は本日で、当日券は準備していませんが、おそらく当日いきなり会場に来て下さっても入って席があると思います。席がなくても、立ち見だってできます。是非お越し下さい。

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必履修教科「情報」を教えていない学校がどれくらいあるか?

今年8月25日に開催された「関東地区情報教育研究会合同研究大会」の様子が、毎日新聞webの記事で報道されているが、ここに「コンピューター利用教育協議会(CIEC)が行なった、学生対象のアンケート」の結果報告が掲載されています。

僕はそのときにも「これはまずいでしょ」と思ったのですが、「情報A・B・Cのどれを履修させたか?」というアンケートを高校に行なうと、合計は100パーセントになるのに、それを高校生として受けてきているはずの大学1年生(現役入学)に聞くと、A・B・C・不明をたしても100パーセントにならず、「履修していない」と堂々と答える学生が少なくなかった。代替科目として届けてある場合は法的には問題がないことになるが、それでも良くない事態であることには変わりない。そして、そういうケースは実は少なく、ほとんどの場合が、今回話題になっている「世界史・未履修」と同じ「学校の独断で受験科目に振り替えた」というケースであろうと推測している。(cf: 北國新聞web)

いま、ここでこのことを問題にしないと、こういう状況がまた放置されちゃうんだろうなぁ…。

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教科「情報」を教えていない学校がどれくらいあるか?

この記事の内容は、ここに移しました。

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必履修教科を真面目にやる先生を支援しよう

今週になって、富山県の高校が「入試で選択しない科目を学ぶのは嫌だ」という生徒の理由に応じる形で、指導要領で必履修とされた科目を受講させていないという問題が急にクローズアップされています。

しかし、問題は地歴(世界史)だけではありません。

必履修教科『情報』を受講させていない学校がたくさんあることは、この分野の研究や実践に関わっている教員なら多くの人が知っていることです。今年夏の2006PCカンファレンス(CIEC)でも、このことが話題になりました。また、私が非常勤で教えている大学で学生対象に行なったアンケートでも、この実態が明らかになりました。

このことを問題視している大学・高校教員も多いのですが、「教科『情報』は、一部の大学を除いて入試に出ない」という事実の前に、指導要領で必修とされているのにも関わらず、履修させていないというのが実態です。「入試にでないから勉強しない」に「情報を入試に出す」で対抗するというのも一つの方法ですが、東京農工大、愛知教育大、他、いくつかの私立大学でしか実施されていないので、この状況を大学側から変えることは難しいのかなぁ。

「指導要領は何のためにあるのか」を、もう一度考え直して授業を行なう必要があるともいえるでしょう。

そういえば、先週、「免許がない教員が教えていたことが何カ月も発覚せずにいた」という事件も発覚しましたが、一方で3週間の認定講習会で得た知識だけで授業をしている「情報」の先生も多いですよね。熱心な先生は、3週間の認定講習の後でも、自主的に勉強会を開いたりしておられます。僕は、このblog に高校の先生方のblogへのリンクをいくつか載せていますが、それをたどって頂くと、熱心な先生の姿勢を見い出すことができると思います。

でも、世の中には「『情報』は非常勤の先生のみで担当することもしかたない」という姿勢の教育委員会が、いくつかあるんですよね。形式的な免許を持っていない先生を教室から降りてもらうことは免許取得者の権益として大事ですが、肝心の免許取得者がマトモな授業をしていない状況、そして、免許取得者をきちんと雇おうとしない教育委員会にも問題はありますよね。

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2006年10月19日 (木)

アナログの性能が大事?

最近、ネットラジオが普及してきたおかげで、僕もかなりネットラジオを聞くようになった。

自宅のパソコンでいつも聞いているのは、 KOIT の Listen On Line だ。これは、San Francisco のラジオ局 KOIT が「ラジオで放送している内容とほとんど同じ内容をネットで流している」というもので、あの地域で車を運転した経験のある人にとっては、car audio から聞こえてくるなつかしいジングルが17時間の時差つきで部屋に届く。(部屋で夜に聞くと、San Francisco Bay Area の朝の渋滞情報などが流れてくる。) URLは、 http://koit.com/2005/broadband.m3u である。

ところで、これを聞いていて面白いことに気がついた。プレーヤーによって音が違うのだ。同じ mp3 ストリーミング同士で音を比べてみた。音がいい順に並べると、iTunes on Mac OS X、iTunes on XP, Quintessential on XP, RealPlayer on XP, Windows Media Player on XP となる。特に iTunes on Mac OS X の音の良さはずば抜けていて、他の4つを聞いているのがもったいないほどだ。(なお、公平を期すために、同じスピーカーにつないで、ほぼ同じ音量になるようにしてあり、内蔵イコライザは flat にしてある。ハードウェアは、 Mac OS X が iBook Dual USB(G3)で、XPは ThinkPad T42 である。)

MP3エンコーダー(CD→MP3)としての iTunes on XP の音の悪さを指摘しているサイトが多く見られるが、デコーダーとしては、XP上で比べても iTunes が一番音がいい。さらにハードが違う iTunes on Mac OS X on iBook となると、まるっきり違う。

マックもっている人は、一度お試しを。

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2006年10月 8日 (日)

「コンピュータが人間並に賢くなれば、コンピュータは人間並にミスをする。」

情報募集です。

「コンピュータが人間並に賢くなれば、コンピュータは人間並にミスをする。」というのを、昔の偉い計算機科学者のどなたかがおっしゃっています。これは誰の御発言か御存知の方がおられましたら、教えて下さい。いまのセキュリティの混乱状況を予測する名言だと思います。

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