情報の免許がなくても、音楽教員なら大丈夫だと思っていた。
「情報」未履修について調査していたら、田中洋先生が、blogで無免許授業に関する記事を御紹介下さいました。
- 音楽教諭が情報授業
- http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061122/mng_____sya_____005.shtml
- 東京新聞Web版、2006年11月22日配信
記事の内容を要約すると、「さいたま市の私立淑徳与野高校で音楽科の教諭が情報の授業をしていた。無免許授業になるので、授業やり直し」ということです。(詳しくは記事本文を御覧下さい。)
この記事のなかで驚いたのが次の部分です。
副校長は「情報の免許がなくても、音楽教員なら大丈夫だと思っていた。認識不足で生徒に迷惑をかけて申し訳ない」と話している。
この人は「教科」という枠組をどのようにとらえているのでしょうか?ひどい話です。でも、ここで「申し訳ない」と謝罪しているので、現状を改善し、問題ない状況にしてくれるのだろうと期待します。
さて、この記事で気になったのが次の3点です。
- 他にも、問題の認識すらできていない学校がたくさんあるような気がします。だれか、発見して下さい。
- そういえば、私立土佐高校の「情報A」は、300人弱の生徒を体育館に集めて、高知工科大学の教員による『授業』で未履修解消(アサヒコム2006年11月13日21時01分配信の記事)とのことですが、そこで授業をした高知工科大学の教員は、高等学校「情報」の教員免許を持っているのでしょうか?
- この学校の場合は既に手遅れですが、免許を持った情報科と音楽科の教諭が協力すれば、「音楽と情報」をうまく融合することは可能ですよね。
もっと、教科「情報」や、その教員養成などについて、議論を深めて欲しいですね。
【追記】(2006.11.22 21:46)
okumuraさんが教えて下さった、続報のリンクを置きます。 http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20061122/lcl_____stm_____001.shtml
記事が正確なら、埼玉県の学事課は、ちゃんとしているようです。
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コメント
特別非常勤講師制度を使えば、免許を持たない人であっても情報科の教員として教えることは可能です。
#もしくは特別免許状を出してもらうか。
そういう制度があっても、使わないもしくは使えないのが学校現場なんでしょうねえ。
#新しいものに懐疑的というか。たまに進歩的でも危うい人だったりするし。
投稿: だきわ | 2006年11月22日 (水) 20:16
だきわさん、こんばんは。
たしかに私立土佐高校は、この制度を使っていれば問題なしということになりますね。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/001/010501d.htm
あとは、高知工科大学の先生が「情報A」についてどれくらい理解しているか…ですね。
投稿: たつみ | 2006年11月22日 (水) 20:21
たぶん「情報の免許がなくても、○○先生(音楽教員)なら大丈夫だと思っていた。あの先生は情報教員以上に堪能だから」といった記事がデスクに切り詰められてさらに個人名を伏せて音楽教員だけが残ったというようなことなのでしょう。
投稿: okumura | 2006年11月22日 (水) 21:35
続報:
http://www.tokyo-np.co.jp/00/stm/20061122/lcl_____stm_____001.shtml
投稿: okumura | 2006年11月22日 (水) 21:39
埼玉県学事課GJですね。
投稿: たつみ | 2006年11月22日 (水) 21:42
まさにGJですね。
#それに引き換え新潟県教委は・・・。
#遅ればせながら『遂に開きなおった新潟県教育委員会』にコメントさせていただきました。
投稿: kt | 2006年11月23日 (木) 19:06
アルゴ「リズム」だから音楽,というのはPhinlodaさんに言われてしまったので,アルゴリズム(体操|行進)の指導は(音楽|体育)教師の得意分野だから,ということでどうでしょうか。
投稿: わたやん | 2006年11月23日 (木) 20:40
確かに、「情報」には、
音楽や体育に近い身体性があることは認めますよ。
でも、それでいいの?って思います。
投稿: たつみ | 2006年11月23日 (木) 22:37
前投稿は冗談ですが,身体性というくくりで同じような授業になってしまうのは困ると思います。
私たち高校教師はつい自分が受けた授業をベースに(いい手本とするか悪い手本とするかはともかくとして)して授業をやってしまいがちです。「情報」については「自分が受けた授業」がなかったのでゼロに近いところから始めた部分もありますが,やはり「元の教科」でやってきた授業のやり方をひきずっている部分も多くあります。そんな理由で,軸足が「元の教科」にあるまま「情報」の授業をやるのは難しいと感じます。
投稿: わたやん | 2006年11月23日 (木) 23:20
11月22日の私のコメント「たぶん「情報の免許がなくても、○○先生(音楽教員)なら大丈夫だと思っていた。あの先生は情報教員以上に堪能だから」といった記事がデスクに切り詰められてさらに個人名を伏せて音楽教員だけが残ったというようなことなのでしょう。」は,昔から新聞にこのような意味不明なものが載ったらデスクを疑えという常識に基づくものでしたが,同様な事例を見つけました:高木浩光@自宅の日記 - 新聞の意味不明な識者コメントはデスクの解釈で捏造される
投稿: okumura | 2006年12月20日 (水) 15:38
奥村先生こんにちは
うーん、高木さんも苦労してますね。雑誌の記事を作るときも、取材を受けたときも、どっちもそうですが、世の中にでる直前バージョンを見せてもらわないと、安心できないですよね。今回の「最新情報リテラシー」(日経BP社)も、数箇所ミスプリがあるのですが、大抵が、印刷直前に急いでデザイナーさんが組んだ図表だったりします。
悩ましい。
投稿: たつみ | 2006年12月21日 (木) 12:30