資格を持っていると給料はどうなるか?
今日、あるゼミで、ある大学院学生さん(といっても、僕より年上)が、こんな話をしていました。
IT関係企業に就職しようとすると、大抵の会社はX社のYかZという資格を持っていることを希望します。そのため、学生さんは皆さん、YやZをとることに大変興味があります。実際には素人の学生さんでも3週間パソコンに向かえばYをとれるので、ほとんどの学生はまずYをとって、さらにZをとる学生がいるという状況です。しかし、私が調べたところでは、YやZを持っている人の方が給料が低いのです。
それはなぜか。
YやZを持って就職している人は、就職するとすぐに文書作りとか表計算ソフトとかを使う仕事をさせられます。いっぽう、YもZも持っていない人で同じ企業に就職できた人は、大抵将来の幹部候補で、パソコンを使って文書を作る仕事は他人に頼む立場なんですね。
結論はこうだ。資格Yや資格Zを持っている方が給料が低くなる。
奥村先生のblogに問題として出されてしまったので、蛇足ヒント。資格Zは、ちょっと取りにくいが「Zも持ってます!」と採用面接で自慢すると、たぶん、X社製品のメンテナンス要員で、最も給料が低くなるでしょう。
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コメント
余計な資格や免許を持っていると,大抵ろくなことはない。
車の大型免許なんか持っていようものなら,みんなは車内で宴会,自分だけ只管バス運転手って構造が出来上がる。
情報科の教員が余計な副免許を持っているから他教科兼務なんてことが起きる。尤も,認定講習じゃどうしようもないし,採用試験がそうなっているんだから抗し難いんだけどね。
学校現場では,学校図書館司書教諭や衛生管理者の免許なんか持っていようものなら,余計な分掌の仕事が付いてくる。(付いてくるのは仕事だけ。それ以外のものは失うものはあっても,何も付いてこない。)
世の中損な^H^Hそんなものですな。
#とは言え,「動力車操縦者運転免許」は欲しいなぁ…
投稿: 金矢 | 2006年11月12日 (日) 09:01
金矢さん、おはようございます。
(たぶん誰も知らないでしょうが)ダンス☆マンが「ワンボックスのオーナー」という題名の曲を歌っています。歌詞は、友人の楽器、後輩のサーフボード、引っ越しの手伝い…などいろいろこき使われるという内容です。俺は渋滞、後ろではテレビ見て楽しんで、そのあと睡眠。昔はワンボックスのオーナーが少なかったからこその逸話ですね。いまはワンボックスが普及したので、ワンボックスのオーナーだからといって損をするということはないでしょう。
ただ、運転免許にしても、教員免許にしても、免許を持っていないとできない仕事をしたいときは、取らざるを得ないわけで、悩ましいですよね。ちなみに数学を教えるだけなら、学校でなくても予備校とか私塾とかで教えることはできます。給料の最低限の保証はないですが、逆に給料の上限もない。免許持っているからって特別得をするわけではないのに。
投稿: たつみ | 2006年11月12日 (日) 09:40
初めまして。ふと見つけたら、気になった記事だったので(乱文ですが)
コメント致します。先生の記事はなんとなく判る気がします。
ただ、採用する側に「***の資格を持っています!」って言う場合、
「***の資格を持っています(から私を採用してそのように使って
ください)」と言っているように面接官が思ってしまうというのも
また事実ではないのでしょうか。
そう考えると、資格持ってなくて入った人というのは資格以外の面で
採用されるに足りる、おそらく人間的な何かを持っていたわけです
から、きっとそれは資格で入ったひとよりも重宝されると思います。
ふと思ったのは資格を取れば全てがOK!って思えるような記事
とかが多い結果、資格に対して実際以上の期待をしているのが
問題の気もします。「資格をとってスキルアップ!」なんてどっかの
電車のつり革広告にありそうなタイトルではないでしょうか。
やっぱり自慢はほどほどにというのが僕の結論です(苦笑
投稿: Tom | 2006年11月15日 (水) 01:23
Tomさん、こんにちは。
> ただ、採用する側に「***の資格を持っています!」って言う場合、
> 「***の資格を持っています(から私を採用してそのように使って
> ください)」と言っているように面接官が思ってしまうというのも
> また事実ではないのでしょうか。
はい。そうです。逆にいえば、
「そこをセールスポイントにしないと、採用してもらえない人」
ということになります。
> そう考えると、資格持ってなくて入った人というのは資格以外の面で
> 採用されるに足りる、おそらく人間的な何かを持っていたわけです
> から、きっとそれは資格で入ったひとよりも重宝されると思います。
そうです!いいところに気がつきましたね。僕が
「いっぽう、YもZも持っていない人で同じ企業に就職できた人は、
大抵将来の幹部候補」
と書いたのは、そういうことです。
> ふと思ったのは資格を取れば全てがOK!って思えるような記事
> とかが多い結果、資格に対して実際以上の期待をしているのが
> 問題の気もします。「資格をとってスキルアップ!」なんてどっかの
> 電車のつり革広告にありそうなタイトルではないでしょうか。
Tomさんの御指摘は、実は重要な問題です。
「資格のほとんどは、実際の能力につながっていない、免許的なもの」
というのが実態ですよね。
言い替えるなら、免許的というのは「安全である」ことを保証しても、
「高品質であること」を保証してないということです。
> やっぱり自慢はほどほどにというのが僕の結論です(苦笑
これは、どんな場合でも真理ですね。
仮にX社のZという資格を持っていても、製品メンテナンス要員として仕事を
するのが嫌なら、それを隠して面接を受けるのが正しいんでしょう。もちろん、
それでも雇ってもらおうとするなら、それ以外の点で十分合格ポイントにたど
り着く必要があります。
「激辛料理も食べられるんですよー」なんて自慢すると、
友人がみんな、辛い料理の店にばっかり連れていくので、
辛くない美味しい料理にありつけないって話も聞いたことがあります。
投稿: たつみ | 2006年11月15日 (水) 13:34
私がこのエピソードから真っ先に思いついたのは「期待値」という考え方です.つまり,資格をアピールした場合とそうでない場合で,「就職できる確率×就職後の給料」はどちらが大きいだろうか,ということです.
もちろん,その「確率」は個人に強く依存するので,就職しようとする本人がその「確率」を自己評価したうえで戦略を決めることになります.
投稿: boiseweb | 2006年11月15日 (水) 21:02