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2006年11月 5日 (日)

大学は高校の卒業証書を今後も信用し続けたい

詳しくは、情報処理学会からの提言に入れる予定ですが、今回の問題は、高校と大学の間の信用を著しく傷付ける行為に発展する可能性をもっていると思います。

大学が、すべての教科・科目を試験せずに、主要教科のみを試験としています。これは、主要教科以外の教科は高等学校が単位認定をすることで、その受験生が「科目を履修した結果、その成果が満足できると認められれば、単位の修得が認められる」とみなされるからです。

その単位認定が疑わしいということになれば、大学は高校の卒業証書を信用できないということになります。

もし、現状が改善されない状況が続けば、大変なことになります。

あり得る、あってはならないストーリーを書きます。

  1. 未履修を放置して開き直る高校・教育委員会がなくならない。
  2. 高校の卒業証明書に何の価値もないということが確定。
  3. 危機を感じた大学が、次のいずれかの対応をする。
    • 入試科目を大幅に増大させる
      →高校で本当に真剣にやらないと駄目になる
    • 高卒認定試験を受験(免除ではなく受験)して合格することを受験資格にする
      →高校で勉強しなくてもいいことになる
    • 高卒でなくても入学できるように学則改正する
      →高校に進学しなくていいいことになる
  4. いずれにしても、高等学校は苦しくなる。

ちなみに大学は、最近はアクレディテーションという作業が進行していて、また、文部科学省などから認証・評価という作業があります。アクレディテーションの対象学校になるとめちゃめちゃ大変で、「○○先生の授業で単位を取得した人のうち、最低点の答案を提出して下さい」という依頼もあるそうです。その大学が、どんな答案で単位認定をしているかの実態を調査しています。個人的には、そのような認定作業は不要だと思いますが、大学の信用を社会にアピールするためには必要悪なのだろうと理解しています。もし、ある大学がアクレディテーション受けたのに通過できなければ、その大学は社会的信用を逸します。

高校でも同じように「あなたの高校で単位認定をうけた人の最低点の答案を見せて下さい」と推薦先の大学や文部科学省から依頼があったら、高校の先生方は大変ですよね。本来なら不要な校務がさらに増大します。大学の教員も、そんなこと、本当は望んでいません。そんなことにならないようにするには、正直に履修をさせて、正直に単位認定をして欲しいなと思います。

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