耐震強度が低い背骨付き未履修学生
今回の問題を議論していて、こんなことに気が付きました
- BSE問題のとき、アメリカ政府は「ちゃんと検査する」と約束しながら検査体制の不備で背骨付きの肉を輸出し、輸入停止という大問題になりました。あれは、輸入肉を日本で検査していたから発覚し、背骨付きのまま日本の市場に流れずに済んだのです。
- 一方、マンションの耐震設計偽装のときは、認証検査機関が耐震設計構造計算書の中身をちゃんと追計算しなければいけなかったのに、それをしなかった(あるいは、だまされた)結果、耐震強度を満たしていない建物がたくさん建築された。
さて、いまの大学入試と必修科目の未履修問題は、どちらかというとマンション耐震設計偽装に近い状況です。私たち大学教員は、特に今年から1年生の授業に困難を感じています。(例えば、立花隆氏も指摘しています。)現在の大学1年生で大量の未履修教科・科目を抱えてきた学生達は、「輸入ストップされた背骨付きの輸入肉」というよりは、「耐震強度が低いまま販売されてしまったマンション」と同じ状況です。
ただし、この比喩にも限界があります。耐震強度は、大規模災害のたびに厳しい方へと変わってきているし、BSE問題でも規制強化が続いています。指導要領の総時間は「ゆとり」の影響で小さくなってきています。名実共に「未履修は0」の生徒(大学に来ると学生と呼ばれる)でも、昔の基準では「未履修過ぎる状態」です。
これについては、次の記事で提案を書きます。
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