「学校知」の反対概念は「商品説明知」
「世界史の未履修問題」をきっかけとして「情報の未履修問題」が発覚し、 blogなどでいろいろと議論を重ねてきたような、 全然議論なんてしてないような気がするのですが、 今回の事件を通して、改めて深く認識したことがありました。
小学校・中学校・高校・大学と進むに連れて、 成績をつけるときの評価観点は変化をします。 その変化についてこられない児童・生徒・学生は、 進学すると成績が悪くなったりします。 逆に大人びた児童・生徒・学生は、 進学するに連れて成績が良くなってくるのです。
しかし、ここでもう一つ面倒なことがあります。 例え未履修なく各段階における評価観点を満たして進学してきても、 社会に出た途端に使えない「先生がテストに丸をつけてくれるような知識」、 いわゆる「学校知」を身に付けているにすぎない場合が多いのです。
この問題は、 わたやんさんが指摘されたことでもあります。
情報教育で身に付けたい知識の中には、 学校で扱われる知識というより、社会に出て必要となる知識の方が多いように思います。 しかし、 情報教育で「先生が丸をつけてくれるような知識」ばかりを扱っていると、 進学、就職したときに困るように思います。
一方で、 ジョーシン06で、次のような発言が聞かれました。 「高校でワープロをさらに時間をかけて教えるが、 大学の先生は『ワープロでさえ全然使えない』と言う。 生徒らはもっとワープロを教わりたいのに、 何を教えればいいんだろうか?」
「学校知」を避けた実用的な授業にしようとするあまり行き過ぎてしまった、 言い替えると、 「学校知」の反対側にある「商品説明知」とも言うべき授業になってしまった 『情報』の授業の問題点のような気がします。 では、「学校知」と「商品説明知」の間にどんな知識があるのか、 それを研究する必要があるんだろうなと、最近反省しています。
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コメント
知識ではなく「知」があるんでしょ。
投稿: 久野 | 2006年11月11日 (土) 04:48
先日,秋の読書週間の標語を生徒から募集したら「知識」という語が入っているものが大半でした。会議の場でも「この『知識』を『知』に変えるだけでずいぶんイメージが広がるよね。『知識』と言ってしまうと,本から得られるものを限定してしまう」と話題になりました。
投稿: わたやん | 2006年11月11日 (土) 09:50