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2006年12月 2日 (土)

続・ワープロソフトの教育って必要ですか?

11月27日(わずか5日前)に、「ワープロソフトの教育って必要ですか?」という題名で記事を掲示したところ、多くのアクセスを集め、2ちゃんねるにまでスレが立ち、掲示した本人もびっくりする結果になりました。

そして、トラックバックも含めてたくさんの反響をいただきました。

反響の多くは、僕の意図を正しく読んでくださった方と思いますが、一部、そうでない反応もありました。そこで、誤解を解くために、再び「ワープロソフトの教育って必要ですか?」を書いてみます。

最初の記事で書きたかったことのもっとも重要なことは、「アプリケーションソフトの使用方法を、特定のものに特化して教えることが、情報教育なのか?」
ということでした。ここで「特定のもの」と書いていますが、特にワードの事を指しているのではありません。一太郎でも、ワードでも、ほかのワープロソフトでも、いや、ワープロソフトに限らず、すべてのアプリケーションやOSについて、なんでも当てはまります。

確かに、僕(辰己)は、マイクロソフト製品を使いたがらないことで、一部方面では有名だそうですが、先日の指摘は、別にマイクロソフトに限った話ではないのです。

時代を10年ほどさかのぼると、世の中には「マック至上主義」な人がいました。いまも少数おられますが、そういう方が授業を設計すると、ボタンがひとつしかついていないマウスを使ってどんな授業ができるかのように、特定のOSに特化した授業に固執する人が多かったと思います。(個人的には、 Mac SKI は好きなゲームでした。)

Mac OS は、X(ver 10)になってようやく、マニアのためのOSを脱皮して、誰にでも薦められるOSになったと思いますが、一方で「registry より拡張子」のような Windows が持っている「よくない性質」も取り込んでしまったことが、ちょっと気になっています。(拡張子ひとつで動作が変わるというのは、セキュリティ上、大変危険と思いますよ。)

LaTeXにしても同じで、至上主義に染まってしまうと、逆に情報教育として無意味な授業をしてしまいかねない。これは、Emacs でも、 Sun OS でも NeXT でも同じです。ただ、現在の大学・高校・中学では、マイクロソフト製品の使用方法の授業が「操作方法の授業」のほぼすべてを占めていることから、批判対象にされやすいということだと思います。

先日僕が書いた記事で、僕は「MS Office 2003に慣れた人には、MS Office 2007 よりも OpenOffice.org2.0 の方がギャップが少ないだろう」と読める内容を書きました。これは、操作方法の授業を重視し続けるのならば、Office2007に移るのはよくないですよという意味です。しかし、本当に文書処理とは何かなどを真剣に考える授業をしたい(大変です。僕には、MS Office を使って教えろといわれても担当できないです。)というのなら、OpenOffice.org にこだわらなくてもいいのです。MS Office を堂々と入れて使ってください。そう、僕は思っています。

OSにしても同じです。OSの目的と機能をちゃんと理解してもらえれば(大変ですよ。)、Vistaであろうと、Mac OS X 10.5(?) であろうと、Knnopix であろうと、使いこなせるはずです。そんな授業を目指してほしいと思っています。


PS. 個人的には、Vista が要求するハードウェアスペックが高すぎるので、簡単に普及しないだろうとは思いますが、JIS X 0213 への完全対応とか、そのほかフォント関係での矛盾解決については、Vistaはかなり真剣に取り組んでいるようですので、役所などが先行して取り入れていくような気がしています。

でも、せっかく入れた Vista に入っているメイリオ(Ver 3.x)を無視し、互換性重視で古い Ver 2.x のフォントで上書きする Vista ユーザが多いんでしょう。

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