権威に付き合わされた人達の話
「発掘!あるある大事典II」の納豆ダイエットの企画が捏造といわれていることについて、世間ではいろいろと報道がなされています。その報道を見ながらいろいろと思ったことがありました。全部書くと大変なので、メディアリテラシーの観点で、ちょっとだけ書いてみます。
- 僕は納豆大嫌いです。(特に匂いが強いタイプを食べる人が半径10m以内にいたら、僕は食事をやめてそこを退室します。あの匂いから逃げられるなら、その日の朝食抜きなんてへっちゃらです。過去に合宿所などで僕がそういう行動をしたのを見ている人が、たくさんいますよねー。)また、そもそも「あるある大事典II」を見ていないので、直接には何にも影響がありませんでした。あはは。
- Aを「納豆を食べる」、Bを「痩せる」とします。あるある大事典IIで述べられていたのは「AならばB」ということでした。「AならばB」の否定は「AなのにBでない」です。つまり「納豆を食べているのに痩せない」です。しかし、番組に捏造があったということは、この否定があったということを意味していないことに注意です。「人間が痩せる原因に、納豆は全く関与していない」ということを示すのは簡単ではないでしょう。納豆を食べることで他の何かを食べずにいれば、それが原因で間接的に痩せることもあるでしょう。今回の「あるある大事典II」の番組の内容が駄目だったのは、「やってもいない実験をやったように見せた」という「嘘つき」な点なのだと思います。検証していないのに検証したといえば、嘘の結果に意味があったとしても、それは許されることではないのです。
- 1月28日の某新聞の見出しがこうでした。
- 大見出しの上の小さな横書
- あるある事典
- 大見出し
- 「レタス快眠」もねつ造
- 大見出しの左下の小さな縦書
- 98年放送 実験の教授証言
- メディアの責任の問題も重要ですね。「あるある大事典II」は影響力が強い番組だったのですから、十分に調べもせずに放送(公開)するのはよくないでしょう。責任ある立場の人、番組は、それだけ発言に慎重になることが、メディアを利用する上で重要なことだと思います。
- 過去何十年にも渡って納豆を食べている人がみんな痩せたのか、という誰でもわかる反証があったにも関わらず、メディアが報道するだけで信じてしまう人が多かったことも気になりました。
それで思い出した話があります。化学薬品の匂いは、いかにも体に悪そうですが、僕の化学の恩師(中学、高校)はみなさん大変長生きされました。きっと、つまらない雑菌にさらされることも少なく、結果として、薬品に囲まれている方が長生きに寄与したのかも知れません。(推察なので、違うかも知れませんけど…。)例えば、アスベストに囲まれていた不幸な人が皮膚がんになりやすいことは疫学的に証明されたので、アスベスト除去作業の重要性が理解されたわけです。「呼吸器系に影響を与え得る」とか、検証無しに発言するのはどうかと。
少しだけ書こうと思ったのに、かなり長文になってしまって、自分に失望。最初に「ちょっとだけ書いてみます」と書いたのに、これでは僕も嘘つきだ(笑)。これにておしまい。
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