「ハロー!モーニング。」の手品
さきほどテレビニュースを見てから切る前にチャンネルをいじっていたら、テレビ東京の「ハロー!モーニング。」で「やっている本人もタネがわからない手品」として、次の手品(?)が披露されていました。
- トランプの4種類のスートを 10, J, Q, K を抜き出す。
- スートごとに4つの山にして、すべて上から降順に積む。
- 4つの山を、山の中の順序は変えないようにして1つにまとめて積む。この時点で16枚のカードは1つにまとまっている。
- 「途中の好きなところでで2つにわけ、上下を入れ換える」という操作を任意有限回行なう。
- その後、カードを上から1枚ずつ4つの山に順番に配る。
- それぞれの山には、10, J, Q, K が集まっている。
そのあと、「タネがわかる人がいたら番組に教えて下さい」って出てきたんだよな。うーん。やっぱり(番組制作の人には)難しいのかな?
仕組みは簡単です。
カードの順番を線形モデルで捉えずに、巡回(円)モデルで捉えてみれば一発です。つまり、16枚目のカードの下には1枚目のカードがあると考えてみましょう。そうすると、「途中の好きなところでで2つにわけ、上下を入れ換える」という操作を何回やっても、カードの円上の順番は変わりません。
言い替えると、このようにして集められたカードを、再び4つの山にばらさず、1枚ずつ順番に中華料理店の回転テーブルのようなところに等間隔で並べてみましょう。そうすると、「途中の好きなところでで2つにわけ、上下を入れ換える」をして並べ変えたつもりでも、テーブル上のカードは回転しただけに過ぎないのです。
だから、この操作をした後に、好きなところからカードを4つの山に配っていけば、同じ数字が集まるのです。
ちょっと面白い数学パズルですね。軽めの楽しいネタでした。
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コメント
カードを表向きにして調べつつやって見れば分かるだろうと
思うんですけどね…
投稿: 久野 | 2007年1月 7日 (日) 15:07
そうですかね?表にするだけじゃわからないと思います。ここはモデルを説明すれば見方がわかるので、その後で全部表にしてやってみればわかりやすいかも知れませんが、この問題?のポイントは巡回構造ですから。
投稿: たつみ | 2007年1月 7日 (日) 15:11
だから「調べ」も必要ですって。調べれば切っても巡回関係が
同じなのは分かるでしょ…
投稿: 久野 | 2007年1月 7日 (日) 16:04
複雑なことやっているのかと思ったら
> スートごとに4つの山にして、すべて上から降順に積む。
という操作が入っているのですね.
僕も久野先生の意見には賛成で,表にしてやったらわかる人は随分増えそうです.
投稿: SHNSK | 2007年1月 7日 (日) 18:35
そうでしょうかね?
久野さんやSHNSKさん(や僕)には一発で見えても、表にして調べても調べても構造が見えない人は、ものすごいたくさん(たぶん、そっちの方が多い)いると思いますよ。
円構造の特徴を抽象的に当てはめるって、思いつかないと思うんだけどなぁ。
そういえば、
> スートごとに4つの山にして、すべて上から降順に積む。
はスートごとじゃなくても全然Okですよね。要は降順に積んであればいい。そこが逆にわかりにくくしているかも…(不要な条件がついているから)
投稿: たつみ | 2007年1月 7日 (日) 19:52
辰己先生、こんばんは。
ふと思ったのですが、これを理解していただくには、まずは4の「上下を入れ替える」をしない状態で、分けてもらうのが一番かと。
そこで、「きれいに分類されますよね」としたところで、4の「上下を入れ替える」をし、結局、上からの順番は変わらないですよね、とした方が、わかりやすいかな、とも思ったりしています。
前段部分での問題解決が、実はあまり理解出来ていないケースも多々あるように思われます。いかがでしょうか。
投稿: 小原 | 2007年1月 8日 (月) 02:17
小原さん、こんにちは。
確かに、そっち方が難しいかも知れませんね!!
しかも、表にすればわかりやすいですね。
この手品(?)を理解するポイントは大きく3つです。
1. 円順序構造
2. 最後に4つの山に分割するところ
3. 最初に「同じスートを集めてから降順に重ねる」という、手品の結果に無意味な冗長条件付加
僕は、あの手品を、あの番組を見るまで全く知らなかったのですが、1, 2 はすぐに気がつきました。そのあとで、3 を使ってないことに気がつきました。
マージャン(しないけど)の牌を回りの人に内緒で積むときに応用できそうですね。(イカサマになるんでしょうね。)
投稿: たつみ | 2007年1月 8日 (月) 12:58