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2007年6月30日 (土)

現在の高等学校学習指導要領解説「情報編」が在庫希少状態

今年も4月から「情報科教育法」の授業をしているのですが、学生から「情報の指導要領解説ですが、どこの書店にいっても購入できない」という話を聞きました。そんなことはないだろう…と思って調べてみたんですが、amazon をみると「ユーズド」で800円以上の値段がついていました。書店の在庫状況を見ると、希少扱いで在庫しているようですが、本当に書店いくと見つからないのかも知れません。

次期学習指導要領を作成することも大切ですが、現行本の入手もちゃんとやって欲しいですね。

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2007年6月26日 (火)

「情報教育の音楽化」第1期の実証実験

財団法人ヤマハ音楽振興会の「ヤマハ音楽支援制度」による補助金を利用して、「『情報教育の音楽化』と『音楽教育の情報化』 音楽文化を広める情報教育を目指して」の実証実験に該当する授業を、東京都立町田高等学校で6月18日、20日、23日の3回に渡って、実施しました。

授業では、楽譜構造とプログラム構造の類似性に注目し、プログラミング言語による楽譜作成を通して『プログラミングを体験すること』を最大の目標としました。ここで『体験』が重要としているのは、この授業の目的がプログラマを育成することではなく、また情報科学の研究者を育てることでもないからです。「すべての日本人に、各学校で数時間のプログラミング体験をして欲しい」というのが、今回の授業目標設定の背景でもあります。(誤解しないように書いておきますが、「数時間」というのは、例えば高等学校3年間で74単位*35週=2590単位時間のうち、おおむね 4〜8単位時間くらい = 0.23%程度という意味です。)

主たる環境にはプログラミング初心者用のオブジェクト指向言語「ドリトル」を利用しました。ただし、「プログラミング言語はひとつしかない」と思われると誤解だし、この授業で「音楽プログラミング」に目覚めた生徒さんがいたら、もっと伸びて欲しいということもあったので、3日目にはテキスト音楽プログラミング環境の「サクラ」の紹介を酒徳さん(サクラの作者)にお願いしました。また、ドリトルの音楽機能以外の部分(ドリトルの本流)についても兼宗先生に御紹介頂きました。兼宗先生はドリトルのコードもチラ見させてくださいました。(これで生徒たちにとっては3つ目の言語になりました。)

また、生徒の作品は Moodle のフォーラムに掲示してもらうことで、友人同士で作品を交流することができるようにしました。

利用する楽曲は、せっかく音楽振興会から補助金を頂いたのだから…ということで JASRAC への申請(&著作権使用料支払)をすることを前提にし、「いま、流行している様々な曲もOK」ということにしました。受講生(第2期11月開催も含む)+スタッフで合計100名程度と限定的ですが、それでもネット配信を行なうので JASRAC の担当の方とは数回やりとり(電話含む)しました。JASRAC さんも初めてのケースということでいろいろ判断をして頂きました。授業の最終日には、生徒たちは好きな曲の楽譜を教室に持ち込んで、どんどん入力をしていきました。

一部の生徒は音楽よりプログラムの工夫を始めましたが、多くの生徒は音楽表現の工夫として「デバグ→テスト→デバグ→テスト…」を繰り返しました。いずれにしても授業の目標のひとつである『プログラミング体験』は、生徒たちにとっては無意識か意識的かはわかりませんが、十分達成できました。ドリトルは、一般的なDTMソフトと違いプログラムで楽曲を記述するので、無意識的とはいってもプログラミングの体験をもってくれたと思います。教室にいた生徒たちが、将来、情報システムを利用する側になったり、あるいは情報システムを注文する側になったときに、この授業の経験を思い出して、利用や発注に気を付けてくれたら(無理な納期はいわない、仕様はちゃんと書く…etc.)、それだけでも十分な意義があったと思えます。また、音楽表現にこだわろうとする生徒さんが多かったことは、補助金を出して下さった財団法人ヤマハ音楽振興会への報告するにあたり、「補助しがいがある結果」につながったと思います。

実際の授業では様々な問題点が出てきました。工夫すれば克服可能なものもあれば、大規模な開発をしないと克服できないものなどいろいろ見つかりましたが、とりあえずは第2期の実証実験に向けて、教材の改訂とLMSの改造を行ないたいと思います。

最後に、参加された方のblogの、この日の様子の記事へのアンカーをつくっておきます。

【2007.06.26追加】

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結局10年だから、10万2592人。

わたやんさんのブログ
2007年6月25日, 中日新聞,
教員免許10年更新、重荷に 地方の国立大「対応できぬ」
という記事が取り上げられていました。そういえば、僕は、半年以上前に、自分のblogに
2006年11月18日, 辰己丈夫の研究雑報
102万5929名
で警告めいたことを書いていたのですが、今ごろになって騒ぐ人達は、僕のblogなんて(というか、そもそもblogなんて)みてないよね。うん。きっとそうだ。

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2007年6月22日 (金)

プログラミング・情報教育研究会(その6)

2007/06/23(土曜日) 15:00開始で、プログラミング・情報教育研究会の第6回(略して『プ会6』)を開催します。予定しているテーマは次の通りです。

【特別企画】情報教育の音楽化の授業を見学しよう
小原 格(東京都立町田高等学校)・辰己 丈夫(東京農工大学)
ゲームプログラミングにおける並行処理の活用
長 慎也(一橋大学)(16:30頃〜)

会場は町田です。詳細は、プ会WEBを御覧下さい。

御参加希望の方は、僕にメールで御連絡下さい。

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「情報教育の音楽化」プロジェクト

「情報教育の音楽化」プロジェクトとは、1998年頃から僕が勝手にやっているプロジェクトの名前です。これは、「情報教育の中に音楽の要素を取り込むと、とても面白いことになるはずだ」という勝手な仮説の元に、いろんな教材を作ってみたり授業をやってみたりしようというプロジェクトです。音楽の授業にコンピュータなどを用いる「音楽教育の情報化」とは全く逆で、情報の教育に音楽を用います。

従来から情報教育では、文書作成、表現、プレゼンテーション、検索、情報倫理(モラル)などの国語・体育・倫理的な内容を題材にすることがありました。また、お絵書きソフトなどは美術のカテゴリであるし、初等教育用プログラミング言語の多くはタートルグラフィックスを使用し、これまた美術のカテゴリに入ります。

情報教育の中で音楽に関するネタといえば、音のAD/DA変換、楽譜処理(符号化、MIDIデータ)、MP3などのデータ圧縮、MIDIネットワーク、音楽著作権などがありますが、いまいちまとまって取り扱われていないし、「お絵書き」などとくらべると扱いが軽い印象があります。

プロジェクトの経緯(とくにドリトルとの出会い)については、2005年9月のブログ記事プロジェクトページに書いたので、それ以外の話を追加します。

兼宗先生と久野先生がドリトルの音楽機能の追加をどんどんやってくださいました。それもほとんど僕が書いた仕様そのものです。おかげでいろいろな曲を書けるようになりました。しかもすばらしいことに「オンライン版ドリトル」が公開されたので、現在のドリトルはクライアント(Mac, Linux, Windows)にJavaさえインストールされていれば、ブラウザ(Firefox, InternetExplorer, Safari)上でほぼ完全に動くようになったのです。(ファイル保存にやや技巧が必要ですが…。)

そして、ある程度の予備授業を経たのち、このプロジェクトのうち「「音楽教育の情報化」と「情報教育の音楽化」 -音楽文化を広める情報教育を目指して-」は財団法人ヤマハ音楽文化振興会の2007年度ヤマハ音楽支援制度の助成金対象になりました。ということで、この4月からいろいろと活動をしています。ちょうど今週は、都内の高校で実証実験授業を計画し、すでに月曜、水曜の2回の授業を終えたところです。

教材はすべてオリジナルで作りました。ドリトルの音楽機能をここまで細かく説明した教材は、他には存在しないと思います。ただ、実際の授業を見て、いくつもの問題点も見えてきました。1つ目は、生徒が思考錯誤をする時間を確保できるような教材構成、2つ目は五線紙との対応が見える教材構成、3つ目は入力の補助機能(あるいはCMSとの連係)です。この辺の問題点を改善し、秋に予定している2校目の高校での実証実験につなげたいと考えています。

それから、この実証実験の様子などを、8月19〜23日にスロバキアで開催されるEuroLogo2007で発表します。

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2007年6月18日 (月)

小さな違いでも、当事者はたまに困る…という話

人間って、自分のことはわりと気にするが、他人のことはあまり気にしていない。そういうものです。よくある名字と読みなら個人情報にもならないと思うので書いちゃいますが、僕の知合いには「渡辺」「渡邊」「渡部(わたなべ)」「渡部(わたべ)」がいます。(現実はもうちょっと複雑だけど、あまり書くと個人を特定するので、この辺で自粛。)「渡辺」さんのうち3人は名前が同じ読みで、さらに2人は漢字も全く同じです。ま、他にも名前や所属などが間違えられ易い人は多いです。

僕も、大学1年生の4月までは、東京農工大学は「東京農業工業大学」の略称だと思っていましたが、実際は「東京農工大学」で正式名称です。

そういえば最近、助教授という呼称が消滅し、准教授になりましたが、これを「準教授」と書いてしまう人が非常に多い。制度そのものがややこしいので仕方ないと思いますが、現実はこんなもんです。自分が発言したことが他人の発言のように書かれてしまうことも多い。同じパネルディスカッションでの発言だから、仕方ないかな。

そうそう、「辰巳」という変換違いも非常に多いです。「辰己」が正式ですが、マイクロソフトのIMEに限らず、ことえりでも、Wnnでも「辰巳」の方が先に出てくるし、「辰巳」でも「辰己」でも、どっちでもいいじゃんと思っている人も多いし、個人的にも「まいいか」と思っているのです。でも、実は業績評価とかをするときになると、かなり困ります。僕の場合、「辰己 丈夫」と「辰巳 丈夫」の両方を調べないと出てこないんですけど、評価する方がたいてい片方しか調べないので、業績半分に見えてしまいます。

そういえば…昨日行なわれたJAPETの「教育情報化コーディネータ試験」は「ITCE」試験と略されていて、昨日、みなとみらいで行なわれた「情報コミュニケーション教育研究会」は「ICTE」研究会です。よく似てるんですけど、間違えて書いている人もたくさんいます。


【追記2007/06/20】今朝は、まるでblogのネタにするためかのように、「辰巳文夫」宛の郵便が来てました。2文字間違いですが、1年に5通くらいは、これが届きます。


【追記2007/06/21】実は3月に、あるところから旧住所(神戸大学に勤務していた頃の大阪の住所)に郵便物が送られてしまい、祖母がわざわざ転送してくれました。新しい住所を伝えてからもう3年も経っているのに、まだ古い住所録を使って送ってくるなんて…と驚きとともにクレームをしたのですが、そのクレームに「辰巳と間違える人が多い。困る。」と入れたんです。

その後の5月末の「はしか休講」決定直前に、その組織は非常勤教員メールボックスに試験実施方法の調査用紙を入れ、2週間後になって「返事が来ない」と「辰巳宛」に督促してきました。そんな、はしかで休講の間にわざわざメールボックスを調査しにいってないでしょ…それに僕は「辰巳じゃないって」3月にクレームしたでしょ…と再度クレームをしました。

でも、今日、その組織から、また「辰巳」宛のメールが来ました。なんだこれ…。

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2007年6月17日 (日)

1日当たり1400通のSPAM、スパム、spam....orz

「宛先不明」として僕のところに届く Mailler Daemon さんからのメールが、昨日午後から急増しています。

06/07 06/08 06/09 06/10 06/11 06/12 06/13 06/14 06/15 06/16
742 721 698 672 636 707 751 762 750 1032

今朝も、ものすごい勢い(10:38am現在で 685通)でやってきています。あるスパマーが僕のメールアドレスをSPAMメールの送り主にしたらしいです。このままでは、普通のメールを大量にこぼす可能性があります。もし、僕にメールを送ったのに「なかなか返事が来ない」という方は、遠慮せずまた送って下さい。

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2007年6月16日 (土)

プログラミング・情報教育研究会(その7)

2007/07/27(金)18:00開始で、プログラミング・情報教育研究会の第7回(略して『プ会7』)を開催します。予定している話者は次の通りです。

全体テーマ:「 moodle特集 」

題名未定
佐藤 義弘(東京都立府中西高等学校)
題名未定
江木 啓訓(東京農工大学)

会場は小平です。詳細は、プ会WEBを御覧下さい。

御参加希望の方は、僕にメールで御連絡下さい。

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2007年6月12日 (火)

メール破産

奥村先生のblogに、メール破産という話題がある。仕事のメールは負債で、仕事をすることで負債を返している気がする。

先週土曜日のフォーラムの準備で他の仕事が全部遅れています。今週はその負債を返す作業で、また死んでます。最近、午前4時就寝→7時起床が続いていて、足りない睡眠時間を電車の中でなんとかしてます。

ということで、みなさま、遅れてごめんなさい。blogも短めで…。

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2007年6月10日 (日)

大学入試と情報フォーラム2007 御来場ありがとうございました!

【2007.06.22追記】毎日インタラクティブ(毎日新聞)に記事掲載されました。


2007年6月9日、情報処理学会情報処理教育委員会主催で「大学入試と情報フォーラム2007(日韓合同開催)」を開催しました。当日は、やや天気がわるかったものの、御来場下さいました皆様、ありがとうございました。会場が分不相応に大きく立派なところだったので「閑散」としたイメージもあったかも知れませんが、僕の当初見込みに近い参加人数でした。

「当日発表お楽しみ企画」も、少々の驚きをもって御覧頂いたようで、安心しました。(「なんだつまらん。驚いてない。」「とても驚いた。」といわれると、どっちも困るので…)

当日配布した資料集を御希望の方は僕にメールを下さい。

また、懇親会に御参加下さった皆様、ありがとうございました。


主催者としては、これから報告書・決算などの事務処理作業が残っています。(さらに個人的には、このイベントのために先伸ばしにしていた他の宿題を片付ける必要があります。)

次のイベントはジョーシン07です。こんどは教員養成について議論を行ないます。講演者もほぼ決まりました。そろそろアナウンスしますので、10月27日(土曜日)、早稲田大学大久保キャンパスにお集まり下さい。

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