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2007年8月19日 (日)

4回目のParis

Dscf1404

最初に訪れることにしたのは Paris です。今回、 Paris で見たかったのは Ponpidou Centre の New Media を利用した作品です。行って見て、期待した通りの内容で満足しました。Ponpidou といえば現代芸術がたくさん集まっているところということで有名です。僕にとって現代芸術って「正直わからない」という固定観念があり、それは今でも変わっていませんが、僕が注目したのは、そこで使われているメディアです。芸術作品といえば、多くの人は絵画・彫刻を思い浮かべるでしょうが、紙や木・銅・鉄などに束縛されずに自由に芸術表現を行なうのも現代芸術の特徴です。その中に動画像(ビデオ)を利用した芸術表現も含まれます。これは、芸術作品を動画にするのではなく、動画そのものを芸術としてしまおうということです。

Ponpidou Center 4階にある New Media Musium に行くと、パソコンがおいてあり、キャプチャされた動画像ファイルと、それを上映する仕組みがありました。早速たくさんの動画を見ました。表現されている内容について理解できた何でことはいいませんが、ここでふと気が付いたこと、それは「youtube に代表される動画投稿サイトは、もしかすると Modern Art の一つである New Media Art の製作者にとって、とんでもない場になっているのだろう」ということでした。つまり、Ponpidou においてあった動画は芸術家が作成した動画ですが、それらは現実には3〜20分程度のビデオファイルに過ぎず、それを片っ端から見ていく作業は、 youtube で行なわれていることと何ら変わらないのです。著作権法上の違法画像の問題ばかりが話題になっている youtube ですが、現代芸術が使用するメディアという観点で見直すと、こんなことになっているのだなぁと感心しました。

実は、Ponpidou に行く前に、同行する某先生の希望があったので、Arts et metiers (工芸博物館)にも行きました。ここに行って何を見られるのかなんて全然期待しないでいったのですが、なんと!キュニョー(Nicolas Joseph Cugnot (1725-1804、ベルギー人))が作った世界初の自動車がありました。以前から本で見ていたものが目の前にあり、びっくり。しかも、本で見て想像していたのと全く違い巨大でした。Cugnot はルイ15世に随行して大砲を運ぶ担当だったそうですが、大砲があまりにも重いので、それを蒸気の力で運ぶ仕組みを作ったのでした。1769年に運転席がない自動車を、1770年に運転できる自動車を発明しています。 Dscf1396

実は、Cugnot の自動車について調べていたのは、情報倫理に関わる問題と関係しているからでした。世界初の自動車は、道路のどちら側を走っていたのか、その後、どんな交通ルールが作られていったのか…などを知ることは、コンピュータ・インターネットが普及していく過程でのルール形成を考えるにあたり、大きく参考になるはずです。ということで、いろいろ調べていた Cugnot の自動車を思いがけず見ることができて感激でした。

Paris では、Montparnasse に宿泊をしました。ここは上野みたいな街でした。

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