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2007年12月31日 (月)

2007年度の活動(学外の諸活動)

担当している学外の委員会関係の仕事もまとめておきます。

今年、たぶん一番内容が多かったのが「情報倫理ビデオPart III製作タスクフォース(TF)」でした。Part III の製作をしていることは、ずっと秘密?にしてきたのですが、先日のCIEC研究会で初めて公表、来年2月のCE研究会でも、この件について話します。全部で30クリップ、俳優は5名となり、Part IIの製作時期には顕在化していなかった問題なども取り扱っています。Part IIIを皆様にお届けできるのがいつかは、実はまだちゃんと言えませんが、2008年春の大学生協お薦めパソコンには、20クリップがプレインストールされますので、御期待ください。これの原作執筆、脚本チェック、撮影立ち会い、フリップ製作、音声収録などいろいろな作業に関わりました。

続いて、「高等教育機関の情報セキュリティ対策のためのサンプル規程集」を作成した「国立大学法人等における情報セキュリティポリシー策定作業部会及び電子情報通信学会ネットワーク運用ガイドライン検討ワーキンググループ」に関わりました。これは、内閣官房情報セキュリティセンターが作成した「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準」の内容を、大学でも適用できるように読み替える作業です。各大学の先生方で、このような業務に関わっておられる方は是非とも参考にしてください。成果物はこちら↓で公開中です。

http://www.nii.ac.jp/csi/sp/

ちなみに、電子情報通信学会では、来年3月の総合大会での企画調整をしていて、上記のテーマでシンポジウムをしますので、皆様よろしくお願いします。

情報処理学会では、初等中等情報教育委員会の活動として、「教育用プログラミング言語ワークショップ(ワープロ2007)」「大学入試と情報フォーラム2007」「高等学校教科『情報』シンポジウム(ジョーシン2007)」に関わりました。この辺は、来年もずっと関わります。また、この委員会ではたくさんの高等学校訪問を実施しました。CE研究会では、今年3月末で運営委員・幹事を退任しましたが、2月の一橋、5月の桃山学院、7月の獨協、8月の鈴鹿(SSS)、10月の高知工科、12月の沖縄IT創造館とすべての研究会で発表をしました。

CIECでは 2007PCカンファレンス でパネリストとして講演をしました。あとは12月のCIEC研究会でも発表をしました。他に、教育委員会や、研究団体から講演の御依頼を頂きました。プ会の活動も順調でした。順調過ぎて会場定員一杯にまで人が来てしまって、御迷惑をおかけしたこともありました。

国際会議発表は、EuroLogo2007と、日韓情報倫理セミナー2007(正確には国際じゃなくて2国間)の2つでした。その他に純粋な研究出張としてニュージーランドを訪問し、Tim Bell さんの御紹介を頂いて現地の大学・高校訪問をしました。

執筆活動としては、昨年末に出版した「最新情報リテラシー」(日経BP)と、日本文教出版から出した高校生向けのJavaScriptの本として、IT-Literacy JavaScript編を出しました。

他にもいくつか活動していますが、書き切れないのでこの辺で。

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情報倫理(情報モラル)と情報危機管理

「情報倫理」という観点では、今年は特に大きな変化はなかったと思います。もちろん、いろいろな事件・事故が発生し、たくさんの人が困ったり、被害にあったり、捕まったりしたんですが、それが「倫理の何かを変えたか」といわれると、そういうことはないように見えます。

法令関係では「違法コンテンツのダウンロードを違法化する法案」が審議されていることが気になります。それの是非に関する議論が、あまり盛り上がりを見せていないことも気になっています。みなさん、もう少し自分に関する問題だという意識を持つべきだとおもいます。

それから、アフィリエイトなどを目的とする足跡スパム/コメントスパム/トラックバックスパムの問題も、今年になっています。単なるスパムメールでさえも解決できていない状況なのに、こういうものが増えると、逆に法律での規制が強化されるでしょう。それは、無関係な人にまで迷惑をかけることになります。

PCやUSBメモリを紛失したり盗まれたりして、情報漏洩という事件も増えてきましたが、一方で、重要な情報には暗号をかけよう、あるいは、暗号化ファイルシステムを使用せよということも、結構普及しているように見えます。これはいいことです。その意味でも情報危機管理の考えが普及してきましたね。

学校裏サイトや2ちゃんねるなどの話題も今年も活発でしたが、この手の話は10年ほど前のweb立ち上げのころからあった話ですよね。それを新しい問題を見つけたかのように報道している人達は、今年も減りませんでした。

mixiなどを利用して犯罪を告白しちゃった人の問題もありましたね。

法令遵守(コンプライアンス)の問題も、今年はますます重要になってきました。教育界でいえば、大学教員らの研究非不正使用問題などの以前からいわれてきたことばかりでなく、いわゆる「高等学校における未履修問題」が昨年に引続き話題になりました。僕は、来年は、さらにこの傾向が強まると思います。そういえば、国立大学法人の教員がアフィリエイトをしていいのかいけないのか、だれかに聞こうかと思っていたのですが聞き忘れました。

「辰己」と「辰巳」の間違い問題は、ちょうど年金受給者名簿で漢字が違うと同一人物として認められないかもということが報道されたおかげで、すこしは理解してくれる人が増えました。

情報倫理に関しては、個人的には重大発表(?)があるのですが、それは別記事に書きます。

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2007年12月29日 (土)

「情報リテラシー」その5

5. 抽象化して考えてみた

「どう教えるか」という教育方法論的な議論と、「何を教えるか」という教育内容的な議論を同じところでやっても噛み合わないのは当たり前ですが、どうもここの噛み合わなさを悪用しているような人が多いような気がしています。というか、「こんな風に教えたい」側には「操作スキルを教えるにはどうすればいいか」という観点しかないようです。一方「こんなことを教えたい」側には知識伝授型の古典的な授業形式に載せればよいとしか思ってないようです。これらの人達の対立の中心は論点にあって内容や方法にないのに、なんだか内容や方法に問題があるようにお互いが感じるという不幸な状況があるような気がしています。

どうなんでしょうかね?

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「情報リテラシー」その4

4. 高校の現状をもっと知ろう

具体名は伏せますが、いろいろな高校を訪問したり、訪問した人からの報告を聞いたりしていて、多くの関係する研究者が予想しているような状況が現実になっていることを確信しつつあります。それは、いまの高校の情報教育の実施状況は、大きく4つに分かれている(もちろんたくさんの例外もありますよ…)ということです。

  1. 進学校では、いまでも情報という名前で数学や物理などを教えている。あるいは、数学や物理に役に立つ情報Bを教えている。前者と後者では「情報の授業実施」という意味では大違いだが、進学校で普通に情報Aのワープロ・表計算・プレゼンというところはあまり多くない。
  2. 大学進学者があまり多くない学校では、就職して役に立つことを目指した資格試験対策的な授業が「情報A」の名前を借りて(検定教科書を使わずに)行なわれているか、あるいは、単に授業に集中させることを目的としたネットサーフィンとプレゼンソフトのアニメーション機能遊びをやっている。これも前者と後者では内容が大違いだが、いずれにしても「情報A」の授業とは言い難い。
  3. いわゆる中堅校といわれている高校では、情報Aや情報Cをかなり真面目に取り組んでいる先生・生徒が多い。
  4. 一部のスーパー先生がいる学校では、その学校が進学校であろうと中堅校であろうと進学率が低い高校であろうと、「情報科」の授業目標をトコトン追求した授業が行なわれている。

で、「情報」の名前を使って数学や物理をやっている場合と、検定試験対策やネットサーフィン遊びで時間を潰しているだけ場合については、「こんな情報の授業ならやらない方がマシ」といえます。特に検定試験対策の授業の場合は、定期試験に各メニューの位置(順番)や名称、その機能などの正誤問題を好んで出題する教師が多く、アプリケーションのバージョンアップなどに全く耐えられない硬直化した生徒をつくり出す。裏事情では、『検定試験』を出題しているテスト提供企業が、そんな「正誤問題」を出題し、それらの資格の取得を教員に奨励するエライ人達がいて、結果としてこういうことになったのだろうということは推測できるので、先生だけが悪いとはいいません。

ということで、これらの状況を見ていると、全国高等学校校長会が「『情報』を必履修から外せ」と言いたくなる気持ちは理解できなくもない。ところで、僕はある高校で教頭先生に「『情報』の学習に、もっと多くの人が取り組むようにするためには、どうすれば言いですか?」と聞いてみた。その回答は僕の予想通り「入試にでること」でした。必履修であり続けるために必要なことは、こういう「やらない方がマシ」な情報の授業をやめさせることと、もうひとつは大学入試への出題を行なうことだろうと思う。

そう言えば先日、某所でNIMEの清水センター長が「次の学習指導要領で、『社会と情報』『情報の科学』の2科目になりました。これで入試に出し易くなります」と発言されていた。その場にいた国立八大学「情報入試WG」の雨宮座長がニコニコしていました。「入試」の方はこうやって解決しそうなので、あとは資格試験対策の授業を駆逐する方法を、いよいよ本格的に考えないといけないなぁ。

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「情報リテラシー」その2・3

2. 技能(スキル)、技術、科学を分けて考えよう。

ワープロソフトを使ってレポートをひとつ作るにしても、技能に分類されるのは、キーボードのタイピングの方法、メニューの選びから、アイコンの意味、編集(コピー&ペースト)の実行や取消などです。一方、技術といえば、仮名漢字変換の技術、アウトラインフォント、画像埋め込み文字のバインド概念などが入ります。科学といえば、文書作成学、文書処理学などが該当します。科学の内容は、10年経ってもほとんど変わらずに通用しますが、技能の内容はOS・アプリのバージョンアップがあると変わってしまいます。ですから、少なくとも学校教育の授業で扱うならば、ごく自然に考えると科学に相当することを教えることを目標にするべきだと(とりあえずは)思います。でも、実はそうもいかないのです。(次の項目に続く。)

3. 発達段階に応じた授業内容を考えよう

情報を学校で教えるならば、経年変化に強い「科学」に該当することを教えるのが最もきれいなのですが、一方で、児童・生徒・学生の発達段階も考慮する必要があります。算数・数学における自然数同士の掛け算は、小学校では九九の表を覚えさせるところから始めていますが、高校では一般的な乗算の性質を証明しながら考える(式の展開や因数分解)ところにポイントが生じます。同じように、ワープロ・表計算の授業でも発達段階を考慮した授業方法があると思います。小学校では体験・経験・感動を重視し、中学校では分類・理由を重視し、高校では証明・知識を重視し、大学では演繹(一般→具体)・適応を重視するようにすればいいのです。もう少し具体的に書くと、小学校では複数メーカーのワープロソフトを使って、世の中のワープロソフトにはいろいろなものがあるのだということを体験的に学び、その体験を通して情報加工の共通部分を知ることが重要。中学校では「なぜここでワープロか?」「なぜここで表計算か?」を正しく述べられるように学び、アプリケーション毎の性質の把握に努めるべき。高校では「文書作法」「情報操作の心理」「プレゼンテーションの一般論」「プログラミングを利用したシミュレーション」「会計入門」という話に入るべきなのです。

現在の「情報」関係の科目は、こういう発達段階ごとの分類ができていないので、小学校から大学まで、同じ時代には同じ内容を教えているように見えてしまいます。これでは、高校で学んできたことを、大学の一般情報教育・高度な情報リテラシー教育につなげることは不可能ですね。

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「情報リテラシー」その1

もう、かなり昔のことになりますが、京都大学の学術セミナーで高校の情報科と大学の関係について講演をしました。忘れないように…というのはもはや無理なので、覚えている範囲を…と思ってみたのですが、そういえば12月上旬には静岡県立大学で講演をしました。ここで話したことも高校と大学の一般情報教育の関係でした。ということで、この辺で話したことをまとめてblogサイズにコンパクトにまとめてみました。

1. 「メールやwebは携帯電話で十分」と思っている高校生が多いのに、なぜ、高校で教科『情報』を授業で教えるべきなのか?を考えよう。

この問いかけは、そもそも、それ自体に矛盾があるのです。にも関わらず問いかけました。これはつまり「メールやwebの使いかた」を教えるのが「情報」ではなく、情報科学や情報工学、それを支える計算機科学、そこから発展する情報社会学などが本来の「情報」のあるべき範囲です。ですが、現実の高等学校の情報の授業では「パソコンでのメールやwebの使いかた」を教えています。ただ、それに加えてワープロ・表計算などのパソコンでないと使えないことを教えている点が携帯ではできないことだといえます。とすると、「メールやwebは携帯電話で十分」と思っている高校生には、「携帯電話ではできないワープロや表計算を教えることが高校の『情報』の意義である」という結論になってしまいます。もちろんそれでは全然正しくないわけで、その点で「なぜ、高校で教科『情報』を教えるのか」を、改めて問い直す必要があるということです。

ところで、携帯電話用のwebサイトでアフィリエイト広告を利用して月収数百万を稼いだ人がいることは知っています。また、携帯小説の印税で何千万円もの印税をえた人がいることも知っています。ただ、そういう人は携帯電話利用者のごく一部のクリエイティブな才能を持つ人であって、おそらく、それ以外のほぼ全員の利用者は、携帯電話のみを利用して必要な収入を得ることはできないのです。もちろん、コミュニケーションツールとしての携帯電話は非常に優秀です。いままでパソコン・携帯電話のいずれも使ったことがない人でも、数日もすればメールを読んだり、送ったりすることができるようになります。これは、携帯電話のUIが非常に優秀だからだと思います。(パソコンの某OSが駄目駄目だという説もあり、これも納得はいきますが、いずれにしても携帯電話のコミュニケーションツールとしての優秀さは確実です。)

パソコンをつかって教えるべきはパソコンの使用スキルではなく、それを利用してどんなデータを俯瞰するか、どんな情報を得られるか、どんな情報を創造するかにあります。それは携帯電話のようなUIでは簡単に実現できることではありません。(一部の天才的な人なら実現でき、そしてそんな人達が多大な収入を得ます。)

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2007年の研究総括

今年後半は原稿締切に追いかけられまくってblog更新が完全に止まってしまいました。こまったなぁと思っていましたが年末になり、少し、今年やったことをまとめてみようという気になりました。ということで、これからしばらく、いろいろまとめた内容を書き散らします。

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2007年12月18日 (火)

プログラミング・情報教育研究会(そのB)「情報デザイン」

本日開催ですので、ageておきます。


2007/12/18(火曜日) 18:00開始で、プログラミング・情報教育研究会の第B回(略して『プ会B』)を開催します。

今回は「情報デザイン」を主テーマにしています。「究極の『情報A』」を目指す方には必聴(笑)!

クリエイタースクールで学ぶこと 〜デジハリとWAO!での体験談〜
五十嵐 誠(神奈川県立横浜清陵総合高等学校)
現場のデザイン
松岡 裕典(有限会社 nudi 取締役)

会場は新宿区内です。詳細は、プ会WEBを御覧下さい。

御参加希望の方は、僕にメールで御連絡下さい。

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2007年12月17日 (月)

情報教育の音楽化(第2期)詳報

以前からこのブログでも取り上げている「情報教育の音楽化」プロジェクトの一貫としての授業を、10月末〜11月に、大阪府立桃谷高等学校で行ないました。やっと、ブログに取り上げる時間的余裕がでてきたので、遅くなりましたが報告します。


今年は、財団法人ヤマハ音楽文化振興会の「ヤマハ音楽支援制度」による補助金に採択されまして、それに関する研究活動をしています。第1期の活動の内容はすでにお知らせした通りですが、それの第2期の活動を行ないました。

内容の基本的な展開は第1期とほぼ同じです。すなわち、プログラミングの入門としてドリトルを使用した楽譜処理を取り扱いました。テキストも、第1期とほぼ同じものを使用しました。少しだけ違うところとしては、第1期ではオンライン版ドリトルだったのが、今回はインストール版ドリトルになったことです。インストール版の方が生徒さんの負担(?)は少ないのですが、一方で、この授業のためにインストール作業を必要とします。もうひとつの違いは、第1期は「特別授業」ということで、希望者のみ参加、放課後実施だったのに対して、第2期は「情報B」の授業の中に織り込んで、対象となったクラス全員実施だったことです。あとは、第1期は典型的な都立進学校ですが、第2期はそうではない(そのまま就職する生徒さんもいる)というのも、学校の背景として違うところです。

9月に下見に行き、10月・11月の3回の授業をすべて見せて頂いて、その様子などや授業アンケートなどを頂きました。


印象的だったのは、生徒たちがだんだん熱中していく様子です。授業の最初は「なんだこれ」という態度を見せていた生徒もいましたが、授業が進むにつれだんだん「音が鳴っておもしろい!」になり、さらに「音楽になっておもしろい!」というようになっていきました。好きな楽曲(それは、たいていは日本のポップス)を入力してみて、それを自分で聞いて修正していく作業を繰り返していく過程で、何人かの生徒たちは本当に没入して取り組んでいました。

我々、外部の人間がたくさん見学にいっていたことも理由のひとつだとは思いますが、普段の授業とは違う雰囲気で授業は進んでいったそうです。それから、担当の野部先生は、僕がお願いした3回を越えて6回の授業をこのために割り当ててくださった(ゆえに僕は見学に行けなかった!)のですが、「早く曲を完成させたい」という生徒からの意見がでてきたとのことでした。生徒に達成感・満足感も与えることができたと思います。

ただ、アンケートの分析はまだ途中ですが、ちょっと困ったなぁということがひとつわかってきました。それは、自宅にパソコンをもっている生徒さんと、そうでない生徒さんで、やっぱり取り組み方や興味感心に大きな開きがでてしまっているようなのです。以前もこのブログに書きましたが、広く情報教育の成果が普及していくためには、義務教育や高校・大学などの一般教育の領域で、十分な情報教育を行なう必要があるのですが、家庭環境が大きな要素として入り込んでしまっていることがアンケートと理解度調査の相関として現れていそうです。


第1期、第2期の授業を通してわかったことのひとつとして「今の教材をどの学校でも実施できるとはいえない」ということです。実施前から予想していたことで、だからこそ、音楽に興味をもっている情報科の先生にお願いしたのです。言い替えると、担当の先生が音楽に関して全く無知かつ無興味だと、やっぱりこの教材では難しいと思います。でも、逆に、そういう知識を少しでもお持ちの先生ならば、プログラミングを学んだり、著作権を学ぶ道具として、ひとつの有効な選択肢になり得ることは、実証できたと思います。教材をある程度作り直すと、より多くの先生に実施して頂けるだろうとも思いますが、それにさらなる洗練が必要ですね。


もうひとつ、(誤解されている方が多いようなので)ここに書いておこうと思うことがあります。今回の授業は「情報教育の一貫としてプログラミングを入れるべき」という主張の上に成立しています。決して『ドリトルを普及させるための手法』ということではありません。実際、「情報教育の音楽化」というテーマは、僕自身は1998年からやってきている取り組みで、兼宗先生と出会ったのはもっと後(2001年)、ドリトルのことをちゃんと知ったのはさらに後(2003年)、ドリトルの音楽演奏機能を使いたいと申し出たのはさらに後(2005年)です。

また、職業訓練のためのプログラミングとしてやっているつもりもありません。初等中等教育では、料理の体験も、方程式を解く体験も、歴史をたどる経験も必要で、それと同じようにプログラミングをする体験も必要だと思っていますが、それが直接生徒たちの能力に役に立つ必要はないと思います。もちろん、間接的には役に立って欲しいと思いますが、生徒に日本地理を学んでもらうのは「日本中どこにいっても道に迷わないためだ」なんてナンセンスですよね。そんな直接的なことばかり教えてしまうとバージョンアップに耐えられない硬直的な知識(道が変わったら目的地にたどり着けないような人)ばかり教えることになります。それは逆効果です。


てなことで、いろいろ遅くなりましたが、まとめてみました。この内容の概要は、CE92(沖縄)で発表しました。また、それに考察を加えてて英文にしたものを発表できるように準備中です。研究として終ったものではないので、今後も引続き取り組んでいこうと思います。

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2007年12月 1日 (土)

グーグルの「おすすめ」

先日、Google Reader に「推薦機能」がつきました。これは、その人が購読しているblogの記事内容と類似しているblogをリストアップしてくれるというものです。

で、僕の場合は「お薦めのトップ」に表示されたのは、ここでした。当たり前ですね。

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