平成20年度大学入試センター試験の講評速報(?)
もちろん、情報教育屋さんの立場での講評です。あしからず。
- 現代文
- 第1問は、狩野敏次の「住居空間の心身論−−『奥』の日本文化」でした。 著作権PDの作品ではなく残念でした。
- 現代文第2問は、夏目漱石の「彼岸過迄」でした。 著作権PDの作品でした。よかったぁ。
- 英語
- 京大の上原哲太郎先生のblogに書いてあった話ですが、情報関係基礎以外の教科・科目で、情報に関する話題を扱うときは、必ず、専門家のチェックを受けるべきですよね。sdsc.edu が実在しているかどうかなんて、調べればすぐにわかることなのに。縦割だなぁ。
- 数学IIB
- 第5問「統計とコンピュータ」は、検定教科書では表計算ソフトを使った資料整理などが取り扱われており、センターの出題範囲からも表計算ソフトを使った資料整理は取り除かれていないのですが、今年も表計算ソフトの話題はでませんでした。このまま次の指導要領までつっ走るんでしょうね。
- 数学IIBの第6問「数値計算とコンピュータ」は、ユークリッドの互除法でした。内容は標準的でよかったと思います。
- 情報関係基礎
- 第1問 問1ですが、相変わらず「10進数」という言葉を使っています。早く「10進法」に改めて欲しいなぁ。数学を専門にしたことがある人からみると気持ち悪い。奥村先生のWiKiに、僕も参加して議論したことなんですが……。
- 第1問 問3ですが、「メールアドレスが通知される」の定義がいまいち不明確です。
- mew で bcc に指定されたメールアドレス宛のメールは、To を blind-copy-recipients:; として、本来のメールを RFC822 タイプの添付ファイルに入れて送るんで、本来の to, cc に記載されていたメールアドレスは、添付されたRFC822形式の文書内のヘッダとして通知されます。
- 一方、Outlook Express だと、bccの宛先を envelope-to に設定して投げるだけなので、受け取った側は「なぜこのメールが自分のところに届いたのか?送り間違い?」と悩みます。
- 第2問も「2進数」って書いてあるなぁ。あれは数じゃなくて状態で、その先をみてもどこにも数(数値)であることを使ってない。また、無理矢理ページ数を減らそうと配置した結果だと思うけど、表1の位置が悪い。p.39の下に空白があるのだから、その分を考えて、表1は問1の下に書くべき。本問で置かれた位置は受験生が混乱する。醜悪だよ。
- 第3問はコンピュータサイエンスアンプラグドを思い出してしまいました。
- 第4問は相変わらずでしたね。選択肢に null文字列 がでてきて、ちょっと笑いました。
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コメント
リスニング再開テスト対象者,今年度は181人(うち6人辞退),受験者数の0.037%だそうです.
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080119-00000015-yom-soci
このうちどれだけが機器故障関係かは不明.
再開テストは年々順調に(?)減少しています.
投稿: boiseweb | 2008年1月20日 (日) 20:51
たびたびすみません.
リスニング再開テストについてもう少し詳しい記事です(時事ドットコム).
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200801/2008011900336&rel=y&g=soc
再開テスト対象181件のうち,「機器不具合の申告」は148件とのこと.
投稿: boiseweb | 2008年1月20日 (日) 21:37