明るく過ごせたらいいなと思っているのです
やれ「IT系人材」だの「ICT系人材」だの、プログラマが不足しているだの、質の高いプログラマが云々だのという話は、僕らの周りではもう、耳にタコが出来るほど聞いているのですが、atmarkitの、「学生の「人気」「質」低落傾向で大丈夫? 大学情報系学部を調査」という記事を見ていて、なんとなく最近感じてきたことが明確に見えてきたような気がしてきました。それは、
「プログラマ35歳定年説」を思い起こさせるIPAの調査結果の記事にあるような状況の原因を調査しようと、IPAのみなさまは、企業の入口の直前にある大学の出口に注目してアンケートを行なっているが、そういう調査では重要なことは見えてこない。ということです。この記事で紹介されているIPAの調査内容というのは、大学教員に対して「貴学部・学科の人気は、最近どうですか?」と聞いた結果であり、決して、高校生や中学生に聞いたものではない。一方、大学の情報系学部・学科に入っている学生(高校時代までは『生徒』と呼ばれていた)は、入試に出願する時点でIT(ICT)関係の業種を希望することを決断した人です。その人数が減っていたり、『質』を維持できなくなってきているということの対策を考えるなら、大学の先生にアンケートをとるのではなく、高校で進路相談を担当している先生に実態を聞いて、それを元に大学の入口側に圧力をかけることが重要なのです。
それからもうひとつ気になったことがありました。人材人材というけれど、高校生の時点でIT(ITC)社会の歯車になることを志す人なんて、ほとんどいないはずです。高校生は、いい意味でもっと現実的、あるいは夢をもっています。しかも、今や給与も低い業界だということが2ちゃんねるなどを通して知れ渡っています。だから余計に魅力がないのです。さらに、ここには構造的な問題もあります。IT(ICT)関係の歯車^H^H^H^H人材になれる才能をもった人は、普段は当然2ちゃんねるなどを見ているわけで、だからこそ、絶対に近寄ってこない。逆に、ネットから遠い業界の悪評が2ちゃんねるなどにいくら書かれようとも、その業界に仕事を求めようという人にとっては『インターネットの掲示板』なんて遠い存在なので無関係といえるのです。
暗い話ばかり書いているのもナニなので、明るい話も。Apple から発売された iPhone の日本語入力インターフェイスを使用させて頂く機会がありました。今までとはまったく違う考え方が必要ですが、いちど慣れるとこれはかなり便利だと思いました。どうして ad-es(Windows CE)にはできなくて、 iPhone ならできるのだろうかと思ったのですが、調べてみるとこれは、ある日本人計算機技術者(僕は、その方が Apple に移動される前に、某研究会で見かけたことが何回かあります。)が設計したものだそうです。某氏は Cupertino に招かれ、iPhone の日本語インターフェイスを作ったのです。きっとそれなりのお給料を頂いたに違いないです。
最近の僕は、そういうITの成功話がもっともっと増えてきて、明るく過ごせたらいいなと思っているのです。
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コメント
こんな調査,情報系でなくても,どこの学部でやっても,10年前より学生の水準が「下がっている」という答えが多いに決まってるじゃないっすか。 ;-)
投稿: okumura | 2008年8月 2日 (土) 16:44
うちの工業高校から大学に進学する生徒も、かなりまずいことになっています。10年前ならオームの法則なんて当然理解しているのに、今ではオームの法則が分かっていない生徒まで大学進学を希望します。
それでも入学できてしまうので、合格が決まったあとが大変だったりします。卒業に必要な単位を取れるかどうかという・・・ほんと、落としたいぐらいに酷い生徒も居ました。ぎりぎりでしたけどね。
今までは工業出身の学生は、それなりに物を作ったり道具を扱えるので重宝してもらえたものですが、最近は不器用な生徒も増えて、電気工事で電工ナイフをもたせることが恐い生徒が大量に増加しています。簡潔に書ききることが出来ませんが、今後どうなっていくのか心配しているのは高校でも同じだということです。
明るい話が欲しいものです。
投稿: あびり亭 | 2008年8月 3日 (日) 00:44
iPhoneの日本語入力インターフェイスをウェブのニュース記事で知ったとき,「これとよく似た入力方式の提案を,ずいぶん前にどこかの雑誌で見たような…」と思ったのですが,やっぱりその人が作ったんですね!
投稿: boiseweb | 2008年8月15日 (金) 11:44