「情報科教育法」(オーム社)の改訂
御購入予定の方は、2月25日の記事を御覧下さい。
高等学校の情報科の教員免許を大学で取得するために使う大学生用の教科書(あぁ、なんだかややこしい)である「情報科教育法」という本を、僕も含めて5名で出版してから8年が経ちました。お蔭様で、いわゆる理科系の大学・学部における情報科教員養成の教科書としてスタンダードとなりました。とはいうものの、本の内容はどんどん古く見えてくるものです。また、2007年秋には「2008年度前半に新しい学習指導要領も発表される」という発表もありました。
そこで2007年12月、久野先生と僕で、この本の改訂作業に着手することになりました。単に時代に合わせて書き直すだけでなく、追加すべき項目もあるはず…ということで案を練り、結果として新たに5名の方に著者として加わって頂き、10名の共著という大変豪華な本を作ることになりました。共著者が10名もいまると、通常は意思統一が大変なのですが、そこは今回は極めて順調でした。
この本の執筆で一番大変だったのは、高等学校の新学習指導要領が当初の予定通りに公表されないことでした。実際には、昨年夏の時点でほとんどの章の原稿案は脱稿を迎えており、その気になれば昨年11月には出版できる状態でした。これは、当初「2008年前半には高等学校の新学習指導要領を決める」という文部科学省の発表に合わせていたからです。ですが、世の中はそんなにうまく動かないものです。結果として、新学習指導要領は5ヶ月ほど遅れることになりました。
そこで私たちは、新学習指導要領に関する部分だけはページ数を決めた上で白紙とし、他の部分について念入りに校正をして準備をしました。2008年12月22 日、高等学校の新学習指導要領が発表されるやいなや、この章を担当される中野先生が電光石火の勢いで書き上げてくださいました。その後、年末・年始をかけて監修作業を行ない、先日やっと最終脱稿となりました。
そんな作業を経たこの本、書誌情報と発売日などが決まりましたので、目次も含めて公開します。また、本書を教科書としてご検討いただけます先生には「採用検討用見本」として献本させていただきます。希望される方は私宛に御連絡ください。
- 情報科教育法(改訂2版)
- 久野 靖 / 辰己 丈夫 監修
- オーム社・A5判・240頁・定価2,520円(税込)
- ISBN:978-4-274-20664-1
発売予定:2009年2月20日発売日:2009年2月24日- URL: http://ssl.ohmsha.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=978-4-274-20664-1
- 執筆者
- 久野 靖(筑波大学)
- 辰己 丈夫(東京農工大学)
- 大岩 元(帝京平成大学)
- 小原 格(東京都立町田高校)
- 兼宗 進(一橋大学)
- 佐藤 義弘(東京都立東大和高校)
- 橘 孝博(早稲田大学高等学院)
- 中野 由章(千里金蘭大学)
- 西田 知博(大阪学院大学)
- 半田 亨(早稲田大学本庄高等学院)
- 目次
- 序章 情報科教育法とは(久野)
- 第1部 情報科とは
- 1章 情報科の成立(橘)
- 2章 新学習指導要領における情報教育(中野)
- 第2部 情報活用の実践力の指導法
- 3章 情報活用の実践力の指導法(中野)
- 第3部 情報の科学的な理解の指導法
- 4章 情報の科学的な理解の指導法(兼宗)
- 5章 問題解決とモデル化・シミュレーションの指導法(辰己)
- 6章 アルゴリズムとプログラミングの指導法(西田)
- 7章 情報検索とデータベースの指導法(久野)
- 第4部 情報社会に参画する態度の指導法
- 8章 情報モラル・情報倫理の指導法(辰己)
- 9章 メディアリテラシーの指導法(橘)
- 10章 情報通信ネットワークとコミュニケーションの指導法(久野)
- 11章 情報システムと社会の指導法(兼宗)
- 第5部 情報科の教員として
- 12章 総合的な学習の時間との協調(半田)
- 13章 コラボレーションとプレゼンテーション(半田)
- 14章 評価の工夫(小原)
- 15章 学習指導案の作成(小原、佐藤、橘)
- 16章 情報科とプレゼンテーション(佐藤)
- 17章 授業形式の実習(橘)
- 18章 これからの情報科教育(大岩)
- 第6部 情報(処理)教育に必要な知識
- 19章 情報の表現と発信(久野)
- 20章 ソフトウェア制作から見た情報教育(大岩)
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コメント
アマゾンで予約ができるようになった…と思ったら,タイトルが「情報化教育法」でした。ISBNで照合できたからいいようなものの。
投稿: わたやん | 2009年2月19日 (木) 22:23