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2009年3月31日 (火)

IT業界への大学生のイメージは「夢がある、スキルが身に付く、やりがいがある」

情報処理推進機構(IPA)が大学生を対象として行なった業種に関するイメージアンケートの結果の記事を見つけました。それによれば、IT業界は「情報やスキルが身につく」「夢がある」「仕事にやりがいがある」とのことですが、一方で「仕事がきつい」であり、さらに「仕事の内容が分かりやすい」では非常に低い得点だった、つまり「仕事の内容が分かりやすくない」とのこと。

特に驚きに値する結果ではありませんでしたが、こういう実態を記事にしてくれる外部の方がいなくなってしまったらと思うと、専門サイトならニュースとして取り上げてもらえる現状、まだ忘れ去られていないという現状は、まだがんばれる場所にいるということなんでしょうね。

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2009年3月30日 (月)

平成21年度高等学校教科書需要数

ある方から、平成21年度の高等学校教科書需要数の速報値を教えて頂きました。

どの学校がどの会社の教科書を採用するかということについては、昨年の夏頃にわかっているのですが、その学校に最終的に何人の生徒が入学するか、選択教科・選択科目をどのように履修をするかによって、実際に必要となる教科書の冊数は変わってきます。なので、3月末の時点で速報値を計算できるって、どういう仕組みなのだろうか?と、そっちの方に興味がでてきました。

ただ、「教科書需要数」でググると、あちこちの教育委員会が作った入力用サイトがでてきますので、きっと、これで集計できるのですね。


同じ話題の他の方の記事

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2009年3月20日 (金)

VBA vs VS vs 手順的な自動処理

こんなニュースが届いた。

Visual Studio 2008など10製品
MS、高校生の自宅学習用にソフトウェア無償提供開始
http://www.atmarkit.co.jp/news/200903/17/dreamspark.html

記事の内容について細かいところは記事自体を見て頂くとして、僕なりに要約すると「以前からマイクロソフトは大学生や高専の生徒達にプログラミング環境を無料で提供していた。この支援対象を、新たに高等学校の生徒を加えた。」ということである。

ここでマイクロソフトが無料としているソフトウェアがすごい。全部で10製品あるが、そのなかでも次の3つが入っていることには、驚かずにはいられない。

  • Microsoft Visual Studio 2008 Professional Edition 日本語版
  • Microsoft Windows Server 2008 Standard Edition 日本語版
  • Microsoft SQL Server 2008 Developer Edition

他にもゲームやロボット関係の統合環境も入っている。記事によれば、マイクロソフトが VS(Visual Studioのこと)などのソフトを高校生向けに無料とした理由は、高校生が自宅でプログラミングの学習をするときの支援ということである。なお、学校でこれらのソフトを入れるときは「MSDN アカデミック アライアンス 高等学校版」を使うことになり、それは無料ではないが、いずれにしても高校生が自宅で学習をするための環境整備を支援しようという取り組みについては、いいところに目をつけたと感心してしまう。また、記事を見ると、マイクロソフトがプログラミングの学習環境として捉えているのは、VSなどの言語環境であり、その延長にシステム管理やゲームプログラミング、ロボットプログラミングがある。実際、この記事でも「実践力はMSDN アカデミック アライアンスや DreamSpark 」と書いてあり、この支援が生徒の実践力向上をめざしていると明記されている。ということは、これらの言語を利用したプログラミング学習が実践力の向上に役立つとマイクロソフトは考えていて、その元に支援が行なわれる。

ところで、この10製品の中に Microsoft Office 2007 が入っていないということも注意してみておく必要がある。「Office はプログラミングの商品ではない」と思っている方もおられると思うが、現在の高等学校の「情報B」で比較的大きなシェアで採用されている教科書は「エクセル上で動かす VBA」をプログラミング言語として取り上げている(僕が書いた教科書は、JavaScript を採用していて、シェア2位だ。)。そのため、「エクセルVBA」を利用したプログラミングを学習対象としている高校があり、そこでは「実践的な表計算マクロ」を作って会計処理を効率化するとか、モデル化とシミュレーションのときの道具としてのプログラミングに利用して、そこでプログラミングを学習させようということをしている、ということである。

一方、情報処理学会・初等中等情報教育委員会が中心となって提言しているのは「手順的な自動処理」の体験であって、「職業訓練」「将来の職業適性を見るためのお試し題材」としてのプログラミングではない。

ということで、ここに大きなズレが見えてきた。

マイクロソフト社は、自社製品を利用したプログラミング学習が現場でどのように行なわれているかについて、そして、その目的は何であるかについて、実態把握ができていたのであろうか。あるいは、実態は把握していて、それを前提に「エクセルVBA」からVSに移行させることが裏の目的なのだろうか。それとも、それ以外なのだろうか。僕には真意はわからない。いずれにしても、マイクロソフト社の処置も、VBAを重視したがる現場も、情報処理学会の提言も、みんな異なる方向に行こうとしていることは確かな気がする。

そういえば、僕のblogに「VBA なくなる」という検索語で、2008年1月20日の記事にたどり着いた記録が多く、最近、その回数が急に増えてきた。(みんな僕のページをみるもんだから、検索ランキングが上がってしまってびっくり。SEOなんてやってないのに、いまや「VBA なくなる」と言えば僕のページがトップ(笑)だ!)

高等学校の先生だけでなく、多くの人がVBAがなくなると困る状況におられるからだろうと推測している。ほんとうに VBA はなくなっちゃうのか?そうなったら、「高校の情報B(将来的には「情報の科学」)では、どの言語を教えればいいのか?」と迷う人が続出するだろう。ここで大事なことを指摘しておきたい。僕は、「どの言語で教えるか」ではなく「どの言語で『何を』教えるか」を重要視して、その中で言語を選んで授業に取り入れることが必要だと思っている。VBAでもVSでもJavaScriptでも、手順的な自動処理の体験はできる。だから、特定の言語に固執する必要はないのです。「どの言語を教えればいい?」という問い自体が、教える目的を誤っていませんか?


【追記】でも、生徒が自宅で宿題をできるようにということを考えると、VBAだと自宅にもエクセル入りのパソコンが必要で、VSだと学校がMSDNアカデミック高校版に入ることが必要で、どっちも有償ですよね。JavaScriptなら、そのどちらもなくても、OSと、無料で手に入るWebブラウザーがあればOK!ですよね。だから、もちろんJavaScriptでないといけないということではありません。ドリトルでもビスケットランドでもOKですよ。


【2009/05/12 追記】その後、 「VBAはなくならないらしい」という記事を書きましたので、御覧下さい。

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2009年3月15日 (日)

ジョーシン09春 開催

情報処理学会の初等中等情報教育委員会が中心となって毎年1〜2回開催している「高校教科『情報』シンポジウム」略してジョーシン。それの2009年春バージョンである「ジョーシン09春」を開催しました。情報処理学会が主催していますが、高等学校の先生方が参加者の半数を越えていて、しかも、多くの方が情報処理学会の会員でない、異質?のシンポジウムなのです。

今回は偶然にもCECの行事と日程が重なってしまいましたが、一方で、新しい学習指導要領が発表された直後に文部科学省の永井視学官の講演ということもあり、直前に参加事前登録者が急増し、急遽会場を変更せざるを得ないという事態になりました。うれしい誤算ですね。

まずは筧先生(情報処理教育委員会委員長)から、開会挨拶に加えて少し筧先生なりの初等中等情報教育に関する見解。その後、文部科学省の永井視学官からの御説明。安心して伺えました。その後は、文部科学省の教育課程部会の委員をされている滋賀大学松原先生の講演があり、新しい学習指導要領の制作プロセスについて伺うことができました。昼食をはさんで、こんどは、現学習指導要領の基本案を作られた聖心女子大学永野先生の講演と続きました。

講演が一通りおわったところで、こんどはパネルディスカッション。昨年のジョーシン08関西に引続き、司会を担当させていただきました。この話題のパネルディスカッションって、たいてい次のどれかに落ち着くのが通例なのです。

  1. 親を教育しよう
  2. 先生への研修を充実しよう
  3. 国がもっと予算をつけるべきだ
  4. 配当時間を2単位から増やそう
  5. 入試に出すべき
  6. 結論なし

今回は、予算の話は出ませんが、他はおおむね出てしまい、そしてやっぱり「結論なし」で終ってしまった感があります。まぁ、この話題で結論が出るとはとても思えないし、無理に結論を出す必要もないし、仲良し同士の褒め合いにするのも醜いし、さらに最初から「総決起集会みたいな会合にするつもり」はさらさら持ってなかったので、それで良かったと思っています。


ところで、今回のパネルシンポジウムで、改めて深く感じたことを1つだけ挙げるとすれば、それは「高等学校の『情報科』の内容と、大学の一般情報教育の『範囲の違い』がぜんぜん埋まってないどころか、さらに拡大している」ということでした。で、それは中学校「技術・家庭科」と高等学校「情報科」の間にもあって、これまた大変な状況。それは新学習指導要領になるとさらに拡大しそうな感じ。数学や英語などの教科では、高校と大学で学習方法(特に抽象化・具体化の向き)や学習目的(必須の能力獲得、職業に応用できる能力獲得)が違うということはありますが、学習範囲が異なるということはないわけです。そして、その違いがどんどん広がっていて、埋めようもないギャップになってしまいのです。これを埋める一つの手は大学入試センター試験に「情報」を出すことなのでしょうが、実際にそれが難しいし、国立8大学情報入試ワーキンググループの活動も大きな壁に当たって進まなかった。次にありそうなのが高卒認定試験や高大接続テストに出すことなんでしょうけど、これもまだ具体化してませんし…。

なやましいですね。

ところで、今後のジョーシンですが、現時点での予定では、指導要領解説が公表されたあとになるであろうジョーシン09秋を再び東京で、そして、その後の議論の進行をまとめたジョーシン10春を関西で行なう予定です。ただし予定にすぎませんけどね。

写真などは、他の参加者の方のblogを御覧ください。

  1. ジョーシン09春 in 早稲田大学
  2. 高校教科「情報」シンポジウム2009春
  3. ジョーシン09春
  4. ジョーシン09春
  5. 研究室日記/09年3月
  6. ジョーシン09春,終了

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2009年3月13日 (金)

プログラミング・情報教育研究会(その14)

プ会14@吹田市内
  • プ会14は「大プ会零」とのコードシェアで開催します。
  • 手続きや運営は大プ会が行ないます。従って、参加表明方法も、これまでのプ会とは異なります。
  • 2009/04/27(月)18:00〜20:00
    SIGCSE2009報告
    西田 知博(大阪学院大学)
    ネットビジネスと法(仮題)
    越智 砂織(千里金蘭大学)
  • 懇親会(20:30〜22:30頃)も企画しています。

詳細は、大プ会WEBを御覧下さい。

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ジョーシン09春の会場変更です!

このままでは満席、立見になる…ということで会場変更をすることになりました。

旧:
55号館S棟第三会議室
新:
52号館201教室

同じ早稲田大学大久保キャンパス内です。約100mほど西にずれました。


詳しいことは、 http://sigps.tt.tuat.ac.jp/joshin0903.htmlを御覧下さい。

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2009年3月11日 (水)

「ジョーシン09春」は満席の予感

【追記 2009/03/13 13:21】会場変更しましたので、満席の心配はなくなりました。


情報処理学会 初等中等情報教育委員会主催の「高校教科「情報」シンポジウム2009春」(ジョーシン09春)ですが、事前登録者数がこちらの予想を越えており、あとすこしで会場定員に届く勢いです。となると、「満員感」がある様子になりそうです。現在、同じキャンパス内でもう少し大きな教室を使えないかと依頼をしていますので、ひょっとすると同じ早稲田大学大久保キャンパス内の違う部屋になるかも知れません。

もし、「参加しよう!」と思われる方で、まだ事前登録をされていない方は、ぜひともお早めに登録をお願いします。

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2009年3月 9日 (月)

新高等学校学習指導要領が発表された……らしい

今朝のテレビニュースは、文部科学省から新しい高等学校学習指導要領が発表されたと伝えているけれど、文部科学省内にある新しい学習指導要領のページには全く掲載されていません。

どこにあるんでしょうか?御存知の方がおられましたら教えてください。

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2009年3月 2日 (月)

プログラミング・情報教育研究会(その13)

プ会13@新宿区内「文科系大学生に対する情報教育」特集
  • 2009/03/25(水)18:00〜
  • 高校教科「情報」でのアンプラグドとドリトルの活用
    文科系大学生に対するプログラミング教育
    長 慎也(一橋大学)
    コンピュータが苦手な文系大学生へのコンピュータリテラシ教育の現状と今後
    伊地知 宏(ラムダ数学教育研究所)

詳細は、プ会WEBを御覧下さい。

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